カメラマン魂

 写真のおやじ、食事の代わりにビールを飲んで10年間生きてきたという。ある新聞に載っていたもので、それを紹介したサイトからの引用を紹介してみる。
「河南省に住む郭友才さん(77)は食事代わりにビールを飲み続けているが、健康状態は良好だという。もともとお酒をよく飲んでいた郭さんは20年前から食事の量が減り、お酒ばかり口にするようになった。ここ10年はご飯を口にせず、毎日ビールを2、3本飲んでいるとのことだ」



 そんなおやじなど、回りにごまんといる。それより気になるのが記事の写真だ。
 まず目に付くのが頭の絆創膏だ。それにうしろの子供。壁に掛かっている鍋にも疑問がわくし、よーく見ると後ろのほの暗い部屋にも興味がそそられる。なぜこんなスナップ風の写真を載せたのだろう。
 一つ一つカメラマンの気持ちになって考えるとそこにカメラマン魂ともいえるものがかいま見えてくる。
 暗室のなかで浮かび上がる画像にカメラマンは驚いたに違いない。もう少しいいアングルで撮ったものはなかったか探すもこれ一枚しか撮ってないことに気づく。ほかの仕事が入っていて撮れなかったのだ。
 壁や部屋の中途半端な映像はとてもいただけたものじゃない。だが締め切りが迫っている。ふとカメラマンは写真をカットすることを思い立つ。

 
 これでどうだ。でもこれじゃ少年が目立ち過ぎるのではないか、また疑問が頭をよぎる。
 なぜこの少年は笑っているのか。おやじはそのことに気づいているのだろうか。そもそもこの少年は何者なのだ。詳しく取材し忘れたので分からないが、いずれにしても邪魔だろう。ボスからあとでいろいろ質問されるよりはマシだ。

これでどうだ。ようやくプロの本領発揮ってとこだ。でも待てよ。これじゃ絆創膏が目立ち過ぎるんじゃないか。
 もうちょっとカットしてみる必要がある。

うーん、これじゃ松村のピロピロと変わらない。

といってこれじゃなにを報道しているのか分からないし…。
 きっとここまで考えて、やはり最初の写真が一番しっくりしていることに気づいたのだ。
 どうでもいい記事にはどうでもいい写真でいいのだとカメラマン魂は揺すぶられたに違いない。

 ついでにこんな記事もメモにするメモ魂にも感じ入っていただければ幸いかと。
ネタ元
食事代わりにビールを10年 中国の男性

“カメラマン魂” への3件の返信

  1. ビールを飲む意外と眼光するどい親父がよくとれていると思います。(元ミノルタ娘)

  2. カメラマン魂(笑)、私もすぐにアタマノ不自然さに
    目を奪われました。
    美容師なので、職業柄か不躾ながらも、、、人様の頭には、興味津々。
    下の方の写真が楽しいことになってしまってますね。
    心が疲れたときには、また観に参ります。アハハハ。

  3. いいなぁ。
    gizmyさん、元ミノルタ娘なんですか。
    ホカ」さん、美容師なんですか。
    いいなぁ。
    今日も台風で開店休業です。
    毎日台風が通り過ぎてます。

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