プリオン

 BSE(狂牛病)問題がぶり返しているようで、今日のメモは、この病気を起こすタンパク質、プリオンについて。
 生き物が増えて行くには、遺伝子というものが必ずいる。この遺伝子、なにをしてるかというと、タンパク質を作り出してるのね。たとえばヒトなんかもある意味、タンパク質の塊で、すべて遺伝子の命令で作り出されるタンパク質で、日々自分自身を作り出してるわけ。
 でもプリオンというタンパク質はちょっと違う。もちろん最初は遺伝子に従って作られるんだけど、あるときひょんなことで形を変えてしまう。それからは、ちょっと態度が変わってくるのね。
 つまり、少し固くなって、ほかの柔らかなプリオンに絡んでいくわけ。絡まれた柔らかなプリオンは、仕方なく固プリオンと同じ型にされてしまう。それだけじゃなく固プリオンになったプリオンもまた、他の柔なプリオンに絡んでいき、自分と同じプリオンにしていくわけ。そうして増えた普通とは違うプリオンがたまっていって、やがていろいろ病気を起こすということになるんだけど。
 遺伝子が関与しないでタンパク質が増えていくというのは生物のなかでは不思議すぎるほど不思議な現象で、このプリオン見つけた人、ノーベル賞もらったぐらい。
 でも、こういう自分の型を人に押しつけようっていうタンパク質、ここだけの話、プリオンじゃなくてもほかにもあるのよ。
 自分の考えを無理矢理、押しつけるタンパク質とか、自分が気に入った味を強引に押しつけるタンパク質とか、いろいろね。
スタッフ「院長、それって本当にタンパク質の話なんですか」
院長  「まぁ長く生きてるといろんなタンパク質に出会うからね」
スタッフ「『考えを無理矢理押しつけるタンパク質』なんかイメージできるけど、『味を強引に押しつける』ってどんなカンジですか」
院長  「ダイエットに励んでいるときに、『ちょっと食べてみなさいよ。まろやかで、甘さ、たップリオン』、って押しつけるカンジ?」

人生、長いか短いか知りませんけど、そんなタンパク質に出会ったことありませんか。

“プリオン” への2件の返信

  1. 院長殿
    このようなダジャレは診療時間中に
    思いつくのでありましょうか?
    どこから湧いてくるのか興味ありあり♪(笑)

  2. 診療時間中は、患者が来院してくれるのを待つのに忙しくてそんな時間はありません。
    思うに、その時間の合間の睡眠中、ふと目を開けると、患者が目の前のイスにいないのに気付くと同時にダジャレを思いついていることが多いような気がします。

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