自費出版

 人から聞いた話。
 エッセイとか小説とか,ネット上で発表したものを本にしたとき、確実に買ってくれる人が300人そろえば出版してくれるサイトがあるという。調べると「ドリームブッククラブ」というのがあった。


 なにかものを綴っていると、それが一冊の本になればいいなっていう気持ちは、よーく分かる。で、ひょっとしたらボクにも可能性があるんじゃなかろうかなどと期待して、そのサイトを覗いてみた。出版までの段取りはこう。
 まずそこで内容を公開し、ポイント制で訪問者の評価で得る。ただし評価をする人は、1ポイントあたり出版が決定した時点で本の代金1000円を支払わなければいけない約束。300ポイント獲得できれば出版するかどうかの審議に入る。で販売戦略に乗りそうだったら出版へ、ということらしい。
 こういう条件でそれなりの数の支持を得るというのは、文字にそうとう魅力がないと無理そうだね。かつそのサイトには同じ夢を追っている人がうじゃうじゃいるのね。このなかで輝く一つになるってのは、けっこうきびしいそうだなぁと、またすぐ気持ちは萎えてしまうわけで。
 で、思いつくのが自費出版。ほんの少しの間だったけど綴り方の手ほどきを受けたことがある、作家の松下竜一さんなんか、自費出版で本にした「豆腐屋の四季」がきっかけで文壇デビューされているしね。
院長  「すいません。いままで綴ってきた文章、おたくで出版してもらえませんか」
編集者 「なに寝ぼけたこといってるんですか、こんなゴミみたいなの、本になっても売れるわけないじゃないですか」
院長  「やっぱりそうですか。じゃあ自費出版しかないですね」
編集者 「院長の場合、お金出しても請け負ってくれる印刷所はないと思いますよ」
院長  「そんなにひどいですか。でもせっかくですから、なんとか探してみます」
編集者 「まぁお情けでしてくれる所もあるかもしれませんけど」
院長  「そのときは、慈悲出版ってわけね」

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