毒舌

 昨日博多に出向く用事があり、夜、ライブスナックの”Windy”に寄ってみた。何度か行ったことのある店で、スタッフで構成されたバンドの演奏もすばらしくいいのだけど、それに勝るとも劣らないのがボーカルをやっておられるマスターの話。その場は、ある生命保険会社の労組のご一行さま15,6名と、筑後から来られたご婦人のご一行さま7.8名さまがおもな団体であとはカップルや小人数のお客で席が埋まっていたのだけど、話のネタは団体さんを中心に進む。で半分以上がいわゆる”毒舌”ってやつ。いってみればいまブレイクしている綾小路君麻呂の漫談の口調なのね。年令も近いようだし。


 そのまた半分が筑後のおばさま方に集中する。おばさま方も席から立ち上がって踊りだしているほどのノリノリ状態で、毒舌をあびせられても、しょげかえるどころか、ますます意気軒昂となっていくわけで。
 たとえば筑後から博多まで数十km近くあるんだけど、それをネタに「わざわざ40kmの遠くから来るヒマなおばさま方もいる」なんてことをいえば、おばさま方は「45kmよ」なんて大声出して反論し大笑いされる。
 でも綾小路さんにしてもそのマスターにしても、毒舌ってのを笑いに持っていくためにきっといろんな配慮をしているだと思う。じゃなけりゃたんなる嫌みにしかなんないものね。
 で、そのひとつが、逆説的な表現を用いながら、注目されていると思わせるのもポイントなんじゃなかろうかと思ったわけで。
 たとえば「わざわざ40kmの遠くから来てありがとう」じゃおもしろくないわけね。そこに逆説的なことを入れるといわれた方の意識も持続する。たまたま今回は距離にたいしての反論があったんだけど、そうじゃなくても「ヒマじゃないんだけどなぁ」なんてね。まわりもどう反応するか注目し続けることになるしね。
 まぁ当たらずも遠からずってとこでしょ。で忘れてならないのが、やはり笑いをとるための毒舌ってのは対象は複数じゃないとだめってこと。
 ひとりに向かって「わざわざ40kmの遠くから来るヒマなおばさま」なんていえば、ヘタすりゃ怒り出す人もいるかもしんないし。
 そういえば埼玉から引っ越してきたというご夫婦は、しきりにほめ上げられていたけど、三人で来ていた男性組は毒舌らしきものを浴びせられていたから、きっと二人までは感情を逆撫ですることもあるってことなんだろうか。
 ということで今日のメモは、毒ぜツゥーまで。

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