バッタ

grasshop
 誰しも幼いころ、野原でバッタを捕まえたことがあるだろう。それからどうしていたか思い出せるだろうか。とげのある足を持てずに、そのまま手を放した人もいるだろう。同情で逃がしてあげた人もいるかもしれない。幼い院長は、カゴに入れて家まで持ち帰っていた。その戦利品はやがて、バッタ好きだった、今は亡き祖母の手に移る。
 祖母は、昆虫が好きというのではなかった。バッタが好きなのだ。目に入れても痛くない、という表現があるが、口に入れても痛くないほど、好きだった。
 煮付けられたバッタは、瓶に詰められる。そのフタを開けながら、 「うまいのに」と寂しそうに語ったとき、人生で拒否することの重大な意義をおぼろげながら学んだような気がする。


 そんなバッタも、アフリカでは困りものなのだ。昨年も「砂漠バッタの群が、最初の繁殖地である北アフリカからいくつかの西アフリカ・サヘル諸国、とくにモーリタニア、セネガル、マリに移動し」、穀物を荒らしまくったのだ。その結果、その地域に飢饉が起こり、国連が救助に出るまでの事態になっている。
 被害は昨年だけでなく、何年も続いている。今までいろいろ対策が練られてきたが、うまくいかない。そもそもなぜバッタが群れるのか、というのが分からない。ということでオーストラリアやカナダの研究者たちが今回調査に乗り出した。
 そのやり方は、バッタの背中に送信機をつけるというものだ。で、分かったのは、群れていると、安全だということ。
というのは、群からはずれたバッタは、半数以上が2日以内に鳥とかネズミなどの捕食者に食べられていたけど、群のなかにいたバッタは 一匹も食べられていなかったからだ。食べられたバッタの遺骸には送信機が残っていた。
 まぁネタ元をざっと紹介すればこんなものかと。
 確かに群れる理由が明らかになったら、被害を予防する方法に道を開くかもしれない。
 送信機さえつけてなかったら、鳥やネズミが襲ってきても軽くかわせたかもしれないじゃないか、などといったヤボな疑問は不問にして、ぜひがんばって欲しいものだ。
 ただ考えてみると、鳥にしろネズミにしろ、食べるときにはちゃんと硬い送信機を残していたというのに、祖母は、あのトゲトゲしい足をペロリと口にしていた。
 祖母が存命していれば、また事態が変わったかもしれない。バッタバッタと口に

…ってなわけないか。

ネタ元
For Some Insects, It’s Smart To Run With The Crowd
アフリカの農業・食料生産、バッタが追い討ち、FAOが緊急援助要請

“バッタ” への3件の返信

  1. バッタの佃煮のおいしさを教えてあげよう。
    穀物がやられたら、バッタを食べるべし。
    佃煮は保存もきくぞ。

  2. 昔 食べてたのはイナゴ?私はバッタは食べた事はないけど 鶏の足やクサギ虫とかいう 木の中にいる5~8センチくらいの なんかの幼虫は食べてましたよ。
    オーストラリアの先住民が食べているとテレビで流れた時 あ!私の食べたのと似てる!ち思いましたもん。
    幼虫はコンロで焼くと表面に油がにじんで パリッとなって 噛むとジュワ~っと 出てくる…。先生、正直 一度くらいは食べたことあるでしょう。
    昔は 虫くだしと言われてたんですから…

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