オペラ座の怪人

 オペラ座に隠れ住んでいるオヤジが、クリスティーナという若い女の子に歌の手ほどきをする。そのオヤジ、少し悪魔がかっていて、かつその子にホレている。
 でもクリスティーナは他の若い男をすきになっちゃうのね。で、オヤジ怒り狂って、オペラ座の役者を殺したりし始め、最後にその若い男を人質にとってクリスティーナにこう迫るわけ。
「オレを嫌えばこいつを殺す」、オレか男か、さあどちらかを選べって。


 クリスティーナ迷ったあげくオヤジに近づき、ついでにキスなどすると、オヤジは急に興ざめして、二人を逃してやるというお話。
 歌の手ほどきを材料に若い子にせまるせこいオヤジの話か、ちゃっかり歌の授業料を踏み倒した若い子の話にしかボクには映らなかったんだけど、気になるのは最後の選択。
 物語の山場なんだろうけど、クリスティーナ(以下クリス)にしてみればオヤジにすり寄っていくしかないような選択になってるよね。
もう少し工夫が必要じゃなかろうかと思ったわけで。
院長 「ラストは意外性を出した方がいいんじゃないですか」
クリス「たとえば?」
院長 「『あなたを選ぶから、彼を殺して』なんかどうですか」
クリス「全然話がちんぷんかんぷんになるじゃないですか」
院長 「じゃあ、『彼を選ぶから、あなたは死んで』なんてのは?」
クリス「そんなのオヤジに通るわけないじゃないですか。なに考えてるんですか」
院長 「あ、いや、ちょっとラストで、びっクリステーナとおもっただけでして」

歌と踊りと舞台は、とってもとっても素敵でした。劇だけでなく、カーテンコールのときに役者さんが観客席に降りてきてクリスマスソングを客と一緒に歌うという趣向まで用意されてて。間近に来た役者さんたちは、いわゆる端役だったんだけど、それでもみなさんとてもお上手で、聴いててうっとりしました。なんだか自分もうまくなったような気がして大きな声で一緒に歌ってみましたが、やはりそうでないことにたちまち気づき、あとは口パクで曲を楽しみました。

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