アーバン

 今日、他の病院へ診療手伝いにいったときの話。なんでも福岡に住んでいるという看護婦さんが仕事帰りに彼と博多港にあるベイサイドプレースに行くという。デートというわけね。
 でどんなことするのか聞くと、少しビールでも飲んで埠頭を眺めるだけとのこと。まわりのビルが海という自然にとけ込んでいて、夜なんかライトアップされてロマンチックだそうな。
 ふむふむ、これがいわゆるアーバンライフってやつなのかと少し感心する。


 ここ直方というところは、平野に位置しているんだけど、海まで遠くいわば盆地のようなところ。水辺の自然を探して楽しむとすれば遠賀川という河川敷あたりしかなさそう。この川、水上運輸で筑豊の石炭産業を担ってきた川で、いまでこそ鮭の稚魚を放流できるほど浄化は進んでいるけど、採掘の最盛期には真っ黒だったらしく、いまでもなんだかススが流れているような印象を与えるほど、どんよりと濁っている。
 オートキャンプができるよう緑とコンクリートが配置してあるなど、いちおう河川敷の整備がなされているんだけど、毎年この時期になると河川があふれ、その整備も元の木阿弥。水が退けば施設は流されるは、上流からのゴミがあちらこちらに散乱しているはの始末。それに心ない飼い主が鎖もつけずにイヌを引き連れて散歩している光景にもしょっちゅう出くわす。河川敷をウォーキングなどして楽しんでいる人なんかは、わけも分からずそうしたイヌには近づかぬように歩みを変更する。
あーこれがいわゆるルーラルライフ。とてもこんなとこではデートとかできないだろうなぁとかぼんやり思ったりして。
 でも彼女たち、やっぱりベイサイドプレースには車で行くんだろうな。アルコール飲んだりして大丈夫なんだろうか。大都市には車が多いからバーンってぶつかったりする確率はきっと、ルーラルより高いと思うんだけど。
そんなことにでもなったら、アー、バーン、ライフになっちゃうよ。気をつけてね。

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