バイオ写真

samurai
 写真を撮られるとき、うまく笑えない。だから「はい、チーズ」などの決まり文句でも、促されると大変助かる。顔の緊張がほぐれるのだ。「はい、ビール」ならさらにリラックスできる。
 なぜこんなメモをしているかというと、長く”シャッター”を押し続けなければならない写真技術が登場したという記事があったからだ。10時間近くもかかる。そんなに長く笑っていられるだろうかとふと考えてしまったのだ。


 江戸の終わりに日本にやってきた写真も長くポーズを取らなければならなかった。それとどこが違うかというとこの新しい技術は素子の桁がまるで違う。細菌よりも小さい粒子で構成されていて、現在の先端技術で印刷された画像より10倍も解像度がある。
 というのはその粒子は細菌が作りだすからだ。そして長く時間がかかるのは細菌が増えるのを待たねばならないからだ。
 カリフォルニア大学の研究者たちが考えたことはきっとこんな風だったのだろう。光を当てると黒い粒子を出す細菌がないだろうか。もしそんな細菌がいれば、なにか形づくる光を当てれば絵が描けるはずだ、と。
 そんな細菌はいなかったので彼らは遺伝子操作で作り上げた。使った細菌は大腸菌だ。院長の腹黒いおなかになかにもいるくらいだから、光とは全く縁がないというのが容易に想像できる。
 その大腸菌に光合成を行う藻の遺伝子を入れると光に対して反応を示すようになったのだ。培地とは細菌が育っている栄養たっぷりの寒天のことで、その培地にある化学物質を入れると栄養と一緒にその物質が細菌に取り入られる。そしてある形をなす光を当てて増えるのを待ってると光が当たった細菌は化学物質の黒い物質を出して象を描くことができたという。(注)
 今後ほかの遺伝子を操作することでいろんな色をもった印刷もできるようになるかもしれないというのがネタ元の内容だ…たぶん。
 すばらしい技術に発展しそうな研究だが、細菌たちも大変なことに巻き込まれたものだ。
院長  「細菌といえども10時間待ちはきついだろ」
スタッフ「…」
院長  「なにかリラックスできる方法はないだろうか」
スタッフ「…」
院長  「おいしいものでも思い浮かべられるようしたらどうだろ」
スタッフ「…」
院長  「培地ーズというのはどうだ?バイ、チーズ」
スタッフ「それがいいたかっただけ?」
院長  「ハイ、笑って」 

(注)ネタ元では実は培地に化学物質を入れると細菌は暗闇のなかで黒い物質を出し光が当たると出さなくなると書いてある。つまりネガのような光を当てると欲しい画像が得られるということだろう。紹介した内容全体がいい加減かもしれないのに、そんなことは気にせず少し分かりやすくなるかと思い、わざと反対にメモしてみた。
ネタ元
Living photos use bacteria as pixels

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