アルキメデス

 アルキメデスは2000年前のギリシャの人だ。いろんなことを発見している。たとえば浮力の原理とかテコの原理だ。彼がいなければ理科のテストももう少しやさしくなっていただろう。(以下アルキメデスをアルと呼ぶ)
 そんなアルにまつわる話の一つに殺人光線がある。大きな反射鏡を作り、迫り来るローマ軍の船団を焼き払ったというのだ。
 
 幼い頃、なにかの本で彼が巨大な鏡を海に向け光を放っている挿し絵を見た記憶がある。そんなアルがなんとなく悲しかった。幼心で偉大な人だと感じていたのに、ウルトラマンのように光線を出して船を焼いているアルがあわれだった。


 つまりはその話を疑っていたのだ。だがマサチューセッツ工科大学の科学者たちは違う。実験をしてみようと思い立った。そうだ。疑うならその真偽を確かめなければならないのだ。いくらテレビのスポンサーがついているとはいえ、その意気は学ぶべきものがあるだろう。
 築80年ものの木の船を90mの反射鏡で焼こうと彼らは計画した。最初45m離れてやってみたが、少し焦げただけだった。次に20mでやってみてが、これも少し火がついただけですぐに消えてしまった。
 実験者いわく、「技術的には可能かもしれないが、実用的にはちょっと」…ってなことがネタ元に述べられている。
 だからいわんこっちゃない。TVの視聴率のためかどうか知らないが、これじゃアルがピエロじゃないか。後世の歴史家が描いたエピソードかもしれないが、彼がほら吹きとも取られかねない。なんでもかんでも確かめればいいというものじゃないのだ。
 でも大物アルのことだ。これくらいのことは目をつぶってくれるかもしれない。それどころか今回の実験者たちの心意気を評価してくれるかもしれないぞ。
院長 「どう?」
アル 「バカにされたような気がする」
院長 「やる気だけは評価してもいいでしょ」
アル 「気に入らない」
院長 「そこは、天下のアルキメデスということで」
アル 「やる気愛でず、だ」

ネタ元
Researchers attempt to create Archimedes’ fabled death ray

“アルキメデス” への1件の返信

  1. 愛でず・・・をあいでずって読んじゃった
    めでず・・・おもしろい!!

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