筋肉注射

コロナ予防接種の4回目が始まろうとしているが、接種の筋肉注射のやり方がこの日本では当初かなり混乱していたことは医療関係者以外あまり知られていないのではないか。
医者が集まるM3サイトでさえ注射をどう打てばいいのかという議論が沸き上がっていたし、最初厚労省が出した筋肉注射の説明ビデオもすぐに修正をされたほどだ。

なぜこんなに筋肉注射のやり方が普及していなかったかというと、どうやら数十年まえに起こった、小児への大腿四頭筋短縮症
問題が根っこにあるようだ。当時、医療器具の精密化の限界もあり、感染症が重症化した子供への抗生剤の投与が大腿筋へ注射にされていたのだ。その結果何年もあとに筋肉が萎縮するという医療事故があった。そのため慎重を期して日本では筋肉注射の頻度がすこぶる低下していたのだ。

だから院長を含め、いまだになにか勘違いされているかもしれない医療従事者のために、ワクチン筋注についてもういちど整理してみたい、

1)肩峰から3横指あたりの上腕三角筋に打つこと。上過ぎると関節に入る可能性があり、下すぎると神経に当たる可能性がある
2)筋肉に届くため針を90度の角度で刺入すること
3)注射部位の筋肉には大きな血管はなく逆流を確かめなくても大丈夫

おおよそのポイントは以上だが、おそらくほとんどの医療従事者は今では問題なくこなされていることだろう。
だが万が一、そうだったか、と思われた方がおられたら、ワクチンを手にしたときに注意して欲しい。
ああ、そうかと、膝を打ってはだめ。