扁桃体

 明日から始まる看護学校の講義の準備でもしようかと、テレビをつけながらゴソゴソやってたら、NHKの「ためしてガッテン」とやらで、上がらなくなる方法というのが始まった。ボクも困るほどではないけど、まぁ上がり症なんで、久しぶりに学生の前に立つこともあり、なにか参考になるものでもないかと手を休めて眺めた。
 で、筋肉をリラックスさせることや、呼吸をゆっくりするというが、なにやら重要だとのこと。詳しくいうと、筑波大の先生が作ったある機械を用いての練習が必要なんだけど、そんなの一般家庭にはないし、これはあまり役に立たないなぁと判断。それでも見続けていると、スポーツ選手のイメージトレーニングの話に移った。それで緊張感が取れるという。
 そもそも緊張というのは、頭のなかにある扁桃体というところの電流が増える現象らしい。で、イメージトレーニングで扁桃体を流れる電流が少なくなるというのを実験で示していた。
 ふむふむ、扁桃体(へんとうたい)がキーワードなわけねと感心してると、ふと思い出した。
 そういえば、今とは違うバンドのギタリストが、メチャ上がり症だったなぁ。そのバンド、みんな酒好きだったから、ライブ前には、昼であれ夜であれ気合い入れでみんなアルコールを口にしてたけど、そのギタリスト、それではまだ不安ということで、安定剤や手の振るえを押さえる薬やら咳止めやら、ほとんど中毒患者状態でステージに立ってた。
 それでもボクなんか足下にも及ばないほどのテクを披露されてましたけどね。
 きっと彼の扁桃体、電流の流れがおかしくなる”変導体”になっちゃってたんじゃないかしら。
 ボクなんかの扁桃体は、間違っても知るかと居直る、”へん、どうだい”なんだけどね。
 ここで少しイメージトレーニングを。
学生A「院長、その疾患の遺伝学的位置は、現在どうなってるんですか」
院長 「……(予習してねぇぞ」)
学生B「院長、黙っていても分かりません」
院長 「……(困った。問題をはぐらすしかないぞ)」
学生C「院長、なにかいったらどうですか」
院長 「あー君たちはなにをボクに期待しているんですか」
学生たち「返答たい」
 あ、あ、あ、こんなバカいってないで、さっさと準備をせねば。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。