方言

 今日の朝の番組で愛媛のある地方の方言として「だんだん」ってのを紹介していた。さてなんでしょうってことだったんだけど、正解は「ありがとう」ってことらしい。
 方言にはいわゆる標準語に近いものから、まったく意味が推測できないものまでいろいろある。これは後者のほうだと思うんだけど、それでもある集団のなかで使われているかぎり生きながらえるもの。


 で、思い出したのが高校の時の国語の時間のこと。いろんな地方から集まっていた学校なので方言もいろいろ。それこそ「ちゃいまんねん」てな関西弁から「ボクさぁ」ってな東京弁を操るものがいたわけね。
で、その国語の時間。「院長読んで見ろ」っていわれて本のある文章を先生から指定されたわけ。学生院長は立ち上がって声に出し始めたんだけど、ある箇所でクラスに笑いが起こった。
 先生も笑って「院長、もう一回そこを読んで見ろ」と催促する。なにがおかしなことをいったのかなと、もう一度文章を確かめ声に出したんだけど、また笑いが起こる。訳が分からず意地になって繰り返したところ、先生が、
「それはな、ウゴカスだろ」っていうわけ。
 ”動かす”というのを学生院長は「イゴカス」って発音してたのね。先生も「お前の地方の方言か」となぐさめてくれて、まぁその場は終わったんだけど、その後いろいろ郷土の人に聞いてもどうもそういう発音はないみたいなのね。
 ということは、わが子供院長が育った環境だけの問題、つまりじいさん、ばあさん、おやじ、おふくろという集団のなかだけで使われていた言葉だったということになる。
 うーん、なんでこんな小さな集団だけに生息した言葉なんだろうね。まこと不思議。
 でも院長の代で、「イゴカス」さんは以後カスになり消滅。いままで恥をかかせてくれて、だんだん ね。

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