勝手ヨミ

 今週の初め、近くのスーパーに買い物に行ったときのこと。
肉じゃが用に合挽肉200gと牛乳1パックを買ったついでに、おいしそうなイチゴが目にとまった。お値段は、肉と牛乳併せたものより高い、1パック500円なり。
 まぁときにはぜいたくもよかろうとカゴのなかに納め、レジに向かう。夕方をゆうに過ぎた時間帯で、2,3人の客がパラパラと精算をやっている程度で、五つほどあるレジも空きが目立つ。
で、ヒマそうにしていたレジのお嬢さんのところにカゴを持っていくと、すぐに聞かれたのがこう。
「ご一緒ですか」


 え、どういうこと?前にも後ろにもボクしかいない。こりゃ品物を一緒にしていいのか訊いてるのかと思い、「袋ですか」と聞き直したのね。
 すると彼女、急に伏し目がちになって、口ごもったカンジで、「いいえ」という。
 え、え、どういうこと? また興味がそそられ、質問を変えてみた。
「勘定を別にするってこと?」
 でも、彼女、レジを打ち、うつむいたまま袋に品を詰めて、どうぞと差し出すだけ。これ以上訊いてもなんだかバツが悪くなるかと、その場を離れたんだけど。
 碁や将棋で勝手ヨミというのがある。こちらがこういくと、相手がこうくる。だとするとこちらはこういって、なんて具合に盤の上の石とか駒の配置を考えるやつね。
 プロがやると考えるかぎり可能な選択をやるけど、素人さんがやると往々にして、相手の動きを勝手に決めてしまうのね。
で、レジの彼女、勝手ヨミをしたんじゃなかろうか。イチゴはボクが買うんじゃなく、ひょっとして人から頼まれたのかもってね。
スタッフ「なるほど院長、風貌がさえないから、ありえるかも」
院長  「でしょ」
スタッフ「そうなると領収書が必要になる」
院長  「でしょ」
スタッフ「いつまでも領収書の話が出ないので、あ、違ったって顔伏せたとか」
院長  「でしょ」
スタッフ「でも、違う勝手ヨミかも」
院長  「というと?」
スタッフ「隣に、見えない人がいたとか」
院長  「かつてヨミ…の国にいた人…ってわけ?」

クリニックにごくごく近くのスーパーなんだけど、どなたか同じような経験された方おられます? とまぁ、それはさておき、勝手ヨミのまま、HPコンテストも無事、終了を迎えそうで。
残り時間もあとわずか。どうか、最後までよろしくお願いしますね。

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