出生体重

海外の科学系サイトに低体重で生まれた赤ちゃんの記事があった。東京の慶応病院でのことでYahooあたりで取り上げられているのかもしれないが、その記事のなかで気になる表現があった。その書き出しはこうだ。

「In August 2018, a baby boy was born in Tokyo weighing only 9.45 ounces (268 grams) ―about the weight of a bag of potato chips」

訳すと、「2018年8月、たった9.45オンス(268グラム)の重さの男の子が東京で生まれた およそポテトチップス1袋の重さだ」ということになる

赤ん坊はもちろんまだおしゃべりができない。だからこそ代弁したい。
ポテトチップス1袋と比較するのはやめて欲しい。

調べるとカルビーのポテトチップスは1袋おおよそ60g。だから4袋分で、記事を書いたお国ではそれが普通の大きさなんだろう。でもこの国のコンビニあたりでそんなポテチ見たことがない。文化の違いだといってしまえばそれまでなんだろうけど、そもそも赤ん坊の体重を栄養学的にいうジャンクフードの重さと一緒にしてもらいたくはないものだ。

ではこの国ではどういった比喩が適当なのか、考えてみた。
これまたネットで調べてみると桃1個がちょうど合う重量のようだ。赤ん坊は男の子、その子の体重は桃と同じ。そこから連想されるのは桃太郎だろう。(異議を抱く方は一度、川に洗濯か山に芝刈りに行ってしばらく考えてもらいたい)

だから桃ひとつぐらいの体重、というのがこの国ではふさわしいのではないか。(異議を抱く方はもう1回、川に洗濯か山に芝刈りに行き、納得するまで帰ってこないで欲しい)

桃太郎と比べられるくらいだからこの子はきっと元気に育っていくに違いない。

お母さんのおなかのなかにいたときも、お母さんのおなかを蹴ったり、ばたばたと寝返ったりして、暴れん坊だったのだろう。
世が世であれば、「鬼胎児、鬼胎児」とまわりからはやし立てられていたのではないか、と想像する。

(キビ団子ほど力はないかもしれないけど、おじさんは君の成長にエールを送るよ。でも大きくなってこのメモを見ても、おじさん退治に来ないでくださいね)