脳細胞

 先日見知らぬメールが届いた。なんでも医者を対象にしたサイトがあるらしく、登録しないかという。
 普段、患者から医者と見なされているか不安でたまらないものにとっては、見ず知らずの人から医者扱いされて、うれしい限りだ。ということで、さっそく加入した。もちろん無料だというのが、最大の理由だ。
 で、アクセス権をもらってサイトに入ると、これがかなり充実した内容でして。さっそくメモとして紹介してみようかと。
 ただし、これって怒られるのかもしれない。「医者だから信用してたのに。お前、本当に医者か」とサイトから文句をつけられるかもしれない。また医者扱いしてくれない人が増えるのは残念なことだけど、医療情報の紹介という、世のため人のためになることだから仕方ないだろう。

アルコールを止めることで、頭の細胞が増えるかもしれないという記事より。
「アルコールを過剰に摂取すると,脳の構造と機能に損傷を受ける」。今まで脳の細胞は生まれてから増えることはないと考えられていたので、結局、アルコールを摂り続けると、院長みたいになるぞってのが定説だった。それが「最近の研究では,ヒト成人の脳は一生を通じて脳細胞の新生が可能で,毎月何百,何千というニューロンが新たに形成されることが示されている」らしく、さらには断酒で脳のある細胞に「爆発的な細胞新生が起こる」という。
 そうだったのか。それじゃさっそく今日からお酒をやめよう、というような言葉を一言でも漏らそうものなら、負けだと信じている。なんに負けるのかという疑問が当然あるだろう。うまく表現できないけど、人生を突き動かす、得体の知れないものとでもいうんだろうか。
 あるいは信仰と言い直してもいいかもしれない。
 くじけそうになるときは励ましてくれる。欲望にかられそうになるときは、自分を押さえつけねじ伏せる不思議な力を持つものだ。
 もちろん目に見えるものではない。いや、神が存在しても、見ようとしないものには見えないように、心のなかに潜む邪悪が己の目を閉ざし、見させないようにしているだけかもしれない。
 こうメモしても、人はきっとよく理解できないだろう。ホントになんといえばいいんだろう。神ではなくてもそれに類似した存在。
 とりあえず、カミさんとでも名付けておこうか。

とまぁ、いってはみたものの、天文学的数字で脳細胞が減っているような感じがある昨今、やっぱり断酒した方がいいかも。ネタバレのメモにもなってるみたいだし。

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