体重に関して間違った考え方がはびこっている。とくに女性だ。なぜそんなに痩せようとするのか。
だれが痩せてる方がきれいといいだしたのか。いつ何時何分に宣言したのか、ぜひ教えて欲しいものだ。
健康な体重を保っていればそれでいいではないか。
そうはいっても、こうした事態の責任の一端は男の側にもある。細い身体のモデルを鼻の下を伸ばして見つめるアホな男たちを見よ。痩せた美女が来ると面食らってそわそわするアホな院長を見よ。そんな風だから女性もまた痩せようとするのだ。
だが本当に痩せた女性を生来男性は好むものなのか。事実は異なる。食料が得難いところでは事態が変わるのだ。たとえば南太平洋の島々だ。そこでは太った女性が憧れの対象になっているのだ。
進化心理学者たちは、これが男の生き残り戦略だと考えている。太った女性の方がより子孫を残す可能性がある。とりわけ食料が不足する環境では、太った女性に賭けた方が賢明というわけだ。もうしそうなら男の発想はきわめて自然体ということだろう。
こうした仮説を背景に英国の大学で一つの実験が行われた。
夕食どきキャンパスの食堂に出入りする男子大学生61名を対象に、空腹の程度を1から7のレベルで評価してもらい、その評価をもとに30人の空腹な学生と31人の食欲が満足している学生に分けた。
ついで彼らはいろいろな体重の女性の写真を見せられた。女性はすべてレオタード姿でハイソックスを履いていて、その魅力を評価するように依頼された。
結果はこうだ。
空腹だった男たちは腹が減ってない男に較べて、よりふっくらした女性を魅力的だと評価したのだ。
実験に参加させてもらっていたら間違いなくレオタード姿だけですべてOKと評価したに違いないが、英国の学生たちは院長より分別があるということだろう。
それはさておき、もう一度実験の結果をおさらいしてみよう。
空腹の男たちはふっくらした女性に魅力を感じるということが分かった、ということだ。
これは仮説を補強するものかもしれない。男たちは空腹を感じることでごく自然体に振る舞うことができるようになったということなのだろうか。
だが研究者の努力にケチをつけるようで申し訳ないが、これは当たり前といえば当たり前のことなのだ。
スタッフ「どうしてですか」
院長 「男がメシを食わなくなったら女性への迷いが消えたということだ」
スタッフ「それで」
院長 「Men喰らわなくなると面食らわなくなる」
スタッフ「なるほど。あとはレオタード姿を克服するだけですね」
以前「男がボン、キュッ、ボンが好きなわけはそれが骨盤の広さ、お産の軽さに関係しているからだ」という論文を読んだことがありますが、考えてみれば体さえ大きければいい話で眉唾物だったのかもしれません。
”眉唾物”という言葉はこのメモ全体に通じるものがありますので、禁句ということで。