チョコレート

chocolate

 今の子供たちが知らないチョコについてメモをしてみよう。近くにお子さんがいるなら読み聞かせて欲しい。
 おじさんが小さいころ、チョコレートは溶けるのが当たり前だった。板チョコなんか少しでも温かいところに置いておくと、すぐに形がへたれてしまった。包みの銀紙を開いて食べようとしても、その銀紙にドロドロと溶けたチョコが付いてきてとても食べられたものじゃない。


 仕方なく冷蔵庫に入れて冷やす。しばらくして取り出すと、形は崩れたままとはいえ堅さは十分なものになっている。それではと銀紙を剥がすけど、一部はチョコと一体化しているんだ。それをなんとか取り除きながら口に入れる。すぐに甘い味が口のなかで広がるんだけど、大抵、気づかずに残っている銀紙の小片も一緒に口にしていたね。
 君たちは銀紙を噛んだことなんてないかもしれないね。それを歯で噛むと、まるで銀紙をかみつぶしたようなとてもにがい味が広がるんだよ。そのときおじさんは自分がアホだったことを思い出したんだ。だけどね、すぐにチョコの甘さの誘惑に惹かれ、まだなかに銀紙を残っているかもしれないチョコを再び口にしたもんだ。そしてまた銀紙をかみつぶしたようなにがい味に出会う。
 これが暑いときのアホな子供のチョコレートの食べ方だった。
 これは君たちだけに教えるんだけど、だから昔は、チョコ冷凍ともいっていたんだよ。君たちだけに教えるんだから人にいっちゃダメだよ。
 そんなチョコもいつのまにか暑さに耐えられるようになってきた。
 君たちが手にしてきたチョコは大体25度から32度までの暑さに耐えられるよう製造されている。おじさんも大体10度前後のアルコールに耐えられるよう訓練し続けているけど、それでも高い度数はきびしいね。チョコも同じだ。
 だから原料となるココアを作っている国なんかではあまりチョコは流行ってないんだ。そんな国はだいたい熱帯地方にあるからね。
 そこでナイジェリアという国の研究者がサトウキビの粉とココアを混ぜてみたんだ。混ぜた理由はむずかしいからやめておこう。
 おじさんもビールと焼酎を混ぜることがあるんだけど、それがときどきうまい味を出すことがあるんだ。それと一緒でこのサトウキビの粉を入れると暑さに強いチョコができたんだね。
 なんと60度の暑さにも溶けないという。チョコで火傷する患者さんが来るかもしれないね。
 もちろんそんなの口で溶けるんか、って疑問があるよね。確かに今まで開発してきた耐熱チョコはチューインガムみたいに噛まなくちゃいけないような代物だったんだけど、今度のは違う。味も舌触りもミルクチョコのようなんだ。
 なぜ口で溶けるのか、君たちが大人になったら教えてあげよう。そのときまでにおじさんも勉強しておくからね。
 最後になるけど、せっかくだから人生でおじさんが得た教訓を教えておこう。それは先を見るということ。いつもいつも先を見る。でもちゃんと足元も見てないと、おじさんのように人生転んじゃうよ。
 どう。先を見るようになれたかな。
 だったらこのチョコについて考えなくちゃいけないことがあるよね。
 そうネーミング。だれかいいアイデア出た人いるかな。
 そんじょそこらにはないチョコの名前だ。なにがいいだろう。
 あ、そこの人。思いついた?じゃあいってごらん。
 え、なに?あ、そう。
 ”そんじょショコラ”ね。
 君も人生転ばないよう気をつけてね。

ネタ元
Scientists Concoct Chocolate That Won’t Melt

“チョコレート” への2件の返信

  1. お久しぶりですぅ
    以前は院長のサイトはMacでフリーズしてました
    私のPCがメモリ不足かと思って ご無沙汰しておりました~~
    見えてますよ~~ 画像も ページ送りも さくさく行きますデス!

  2. だはは、そんじょショコラ・・なかなかいいネーミングじゃありませんか。
    商標登録しておいたほうがいいかも。

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