阿木山麗子

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「商品名はこれでいいのか全国協議会」第二回大会をどうやら開かねばならないようだ。第一回の議題は”妖怪汁”だった。今回の議題は”阿木山麗子(アキヤマレイコ)”だ。
 最後に子がついているからといって必ずしも人でないことは、茄子や扇子を見れば理解できる。だが通常、”麗子”は女性につけられる名前だ。せめて南極に行ったという幻の人形に与えられた名前であれば納得がいくのだが、そういう”人”を連想させるものとはかけ離れたものにつけられている。なんとパソコンで使うマウスの名前だというのだ。


 そもそもこの阿木山麗子は普通のマウスとどう違うのか。それはクリック数をカウントする液晶がついている点だ。発売元の説明を引用するとこうなる。
「このマウスを使えばパソコンを使った仕事量が一目瞭然である。ビジネスユースでは、従業員の業務査定を行う新しい基準として使うことができ、またパーソナルユースでは、毎日のクリック回数を確認することによりパソコン依存症の歯止め策としても使うこともできる」
 さてなぜこれが阿木山麗子なのだろう。いかにもこじつけらしい説明に対抗する一案だがビジネスユースでもパーソナルユースでもキーを使わないことを前提としているようだから、つまりは ”a key 邪魔”がなまって阿木山になったのではないのだろうか。
 さらには次のような説明もあった。
「このカウンターマウスは、開発段階で生じた様々な諸事情により発売を断念する事になっていた。しかし、昨年11月に某情報雑誌のボツ企画コーナーで取り上げられ、その後寄せられた読者からの熱い要望に答え、この度発売する運びとなった」
 ”開発段階で生じた様々な諸事情”は容易に推測される。すなわちそんなコンセプトの商品が売れるのかと上から圧力がかかったのだ。
 以上を整理すると開発部ではきっとこんな会話がなされたに違いない。
部下 「ほんとに阿木山でいいんですか」
主任 「三ツ木マウスなんかじゃベタ過ぎるだろ」
部下 「分かりました。下の名前はどうしますか」
主任 「販売個数を聞かれたときのためだ」
部下 「というと」
主任 「阿木山レイコにしよう」

< 参照メモ 妖怪汁
ネタ元 阿木山麗子

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