小手先

map
 日本の面積は約370万平方キロメートルあるという。では周囲は何キロあるかご存じだろうか。
 答えは三択で
1)ほぼ2000km
2)ほぼ5000km
3)ほぼ10000km
 のなかから選んでみて欲しい。


 実はこれはある本に載っていた問題で、不思議なことに答えはどれでも正解なのだ。この理屈の背景にはフラクタルという理論がある。もちろん詳しく説明する力はないが、それでもやってみよう。”法螺食ったる”腹づもりで聞いていただきたい。
 どこの海岸でもいいから海岸線を思い浮かべて紙に描いてほしい。その絵を人に見せ、海岸線だと説明する。そして絵に人なり家なりをどんな大きさでもいいから描き足してもらうのだ。
 きっといろんな大きさの人や家が描かれるに違いない。点のような家を描く人もいるかもしれない。
 つまりあなたが描いた海岸線は地図で見るような海岸線でもあるし、実際に海岸に行ってスケッチするような海岸線でもあるのだ。
 大きくしても小さくしても同じような図形が現れる。これがフラクタルだ…たぶん。
 だから海岸線の長さを測ろうとしても、どの大きさのメジャーで測るか特定できず、どれも正解ということになるのだ…たぶん。
 とはいってもなんだか分からない話ではある。なんでもいいというのだったら1mでもいいのだろうか。もし1mではないということが確かなら、○○mではないということがいえるのではないだろうか。
 ああ、やはりよく分からない。小手先の勉強では理解は無理だということだろう。
 では大手先の勉強ならいいのだろうか。でもこれを見てると小手先も大手先も分からなくなる。

 参考本:「アインシュタインと猿」日経サイエンス社

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。