手元には今日もコップが置いてある。コースターの上に鎮座ましているコップにはビールが入っている。
そのビールにはいろんな思い出があった。ただ記憶に残っているのはわずかで、ほとんどが翌日に人か逡キかされたものだ。
理由に思い当たることがある。決してアルコールに強いわけではないのに、飲んでも顔色が変わらないのだ。だから回りの人が勘違いし、コップが空になると、”ささ、もう一杯”ということになる。
嫌いな方ではないので、勧められるままにあおっていると、いつの間にか酔っぱらってしまい、果ては朝目覚めると目の前に行き交う人の足があったというような事態になっている。
もちろん若い頃の話だ。さすがに今はそんなことはない。そもそも人と飲む機会は若いときに比べググッと減っている。だから人から勧められ度を超して酔うことなどないのだ。もう大丈夫だ。
そう思っていた矢先、とんでもないものが登場した。
ドイツの研究者たちが考案したものだ。センサー付きのコースターで、コップのビールが残り少なくなると、もう一杯いかがですか、と勧めるのだ。今あるコースターにも取り付け可能だ。難点は110gもあり値段も1万円ほどする。だが大量生産できるようになれば、なんとか安くかつ軽量化もできるだろうと研究者は踏んでいる。
なんということだ。ようやく平穏な日々を送れるようになったというのに、また悲惨な目に遭わなければならないのか。
でも待てよ。もう大人だ。こうすたコースターごときで落語のような日々に戻るわけがない。
この機会だ。今までの自分の酔い方をもう一度見つめ直してみよう。
まず急激に意識が下降する。ホントに弱いのだ。だがそれからゆっくりと回復する。スピードはときと場合によるが、とにかく一度回復する。だがやはりまだダウンしてしまう。
で最後はクルクル回っておしまい。
下降してゆっくり回復して、また下降。最後はクルッと回っておしまい。
こうすたコースターが出回ったら、どんな酔い方をすることになるのだろう。
ジット、コースターを見つめながら考えている。
今のところ最高タイム、37.5でスた。
ネタ元
Smart beer mat orders refills
今日は誕生日です。発泡酒でも第三のビールでもなく、ぜいたくにエビスを飲みました。幸せです。
スゥェーデン語でいおうか、チベット語で伝えようか迷いましたが、どちらも知らないのであきらめました。
ねずさん、誕生日おめでとうございます。
クルクル回っておられますか?