6次の隔たり

network

 人と人とは不思議な縁で繋がれている。見えない紐でカミさんに繋がれている院長のことをいっているのではない。
 知り合いの知り合いの、そのまた知り合いのってな具合にたどっていくとだいたい平均6回で世界の人が繋がるということが1960年代に行われた研究で明らかになっているのだ。


 たとえば松浦アヤヤに本当の年齢を聞くために手紙を出すとする。もちろんファンクラブを通せばことは早いが、ひょっとしたら半殺しの目に合うかもしれないのでそのルートは使えない。だからアヤヤを知っている可能性が高そうな知り合いに手紙を出すのだ。もちろん彼女の正確な年齢を知っている人、たとえば彼女の親友などに送ることができればそれで済むが、そんな人がいたらとっくにサインをもらっている。
 最初は東京辺りに住んでいる知人を選ぶのが妥当かもしれない。そしてその人にも、同じようにアヤヤを知っていそうな人に手紙を回してもらう。TVや音楽関係に知人がいれば相当近づいているはずだ。次の次の人が仮りに知らなくても再びアタリをつけて知っていそうな人に転送してもらうようなことを繰り返すと、おおよそ6回で着いてしまうというのが研究のいわんとしていることだ。
 これを科学者たちは「6次の隔たり」と呼んでいる。
 研究についてもう少し詳しくメモしておくと、カンザス州とネブラスカ州の住人の中からランダムに選んだ300人に、彼らがおそらく知らないマサチューセッツ州ボストン在住のある受取人まで届くようにと手紙を預け、その受取人に届くまで何人の仲介者が必要かを調べたものだ。
 この研究が発端となり人の社会だけでなく神経やインターネット、あるいは群れた昆虫の行動など、いろんなネットワークについての研究が始められている。
 コピペもせずなぜこんなにメモできるか自分でも不思議だったが、ふと気づくとそのネットワークについての本を手にしているではないか。そういえば数日前から紐解き、もうすぐ読み終わろうとしているところだった。
 いままで発展してきたいろんな理論が解説してある。ほどほどの理解しかできなのだが、それでもおもしろく読んでいた。
 だがその端緒となった研究に疑惑が湧いたというBBCの記事があった。
 300人が送った手紙のうち、実は95%はボストンの受取人のところに届いてなかったという。
 つまりは今のいろんな理論が少しあやふやな土台から出発しているというのだ。はてさてどうしたもんだろう。
 とはいえ、どんなに悩んでも事態の収拾には手の出しようがない。せいぜい解決できるのはアヤヤが年を偽っているかどうかはっきりとさせることぐらいだ。
スタッフ「いよいよボケました?」
院長  「なんとなくフケ顔じゃない?」
スタッフ「ありません」
院長  「どうしても誤魔化してるような気がする」
スタッフ「してません」
院長  「なんか感覚に開きがない?」
スタッフ「もうろく爺の隔たりがあります」
 

ネタ元
Connecting with people in six steps

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