黒田総裁謝罪

「日本の家計の値上げの許容度も高まってきている」との発言をした日銀の黒田総裁が報道陣の前で「表現は適切でなかった。誤解を招いた表現だった」と謝罪したらしい。
日本人の”値上げ許容度増大”発言に対する報道陣の追及に対し、黒田総裁が根を上げた、というオチかと思ったが、発言のもととなる東大の先生の表を見てもっと根は深そうに感じた。

表を見ると2021年8月時点では、いつも買う商品が10%値上げされていたら、日本は別の店でもっと安い商品を探す人が多かったが、2022年4月の同じ調査では同じ店で買う人が増えている、だから、”値上げ耐性”ができてきたのだという。

でもこの表は10%値上げされたらほかの店にいくかどうかの調査だけのものではないだろうか。
どこに”値上げ耐性”の指標があるのだろう。
(字が小さいので補足すると、青いほうは「同じ店で同じ商品を買い続ける」、赤の方は「ほかの店に行く」)

もし直接な表現で10%の値上げに耐えられるかどうかを質問すると、なんらかのバイアスが入り込む余地があり、耐えらる人も耐えられないと答える可能性があるから、こんな形の質問になったのだろうか。

だとしても同じ率でそうしたバイアスが入っていると仮定すれば、単純に”10%の値上げに耐えられますか”でいいのではないだろか。

10月から値上げされるビールに対し、カミさんの目に耐えられるかどうか不安を抱きつつのメモであった。