人生案内

ジャイアンツよいしょ新聞の”人生案内”というコーナーに今日「2歳半孫、人をかむ」という題がつけられた投書が寄せられていた。
”2歳6ヶ月の孫が最近やたらと人にかみつき、心配して”いる60代男性からの相談だ。回答は次のようなものであった。
”原因は二つ考えられ、ひとつは言葉が未発達なため自分の意志をかみつくことで表現しようとしているのではないか?ある程度言葉をしゃべるようになってもかみつくなら、なにかのストレスが考えられるので環境をもう一度チェックしてみては?”


そんな具合に人生の案内役を買って出た人は大学の教授なのだが、うーん、なんというか、はとバスに乗って東京タワーを指差しては「あれが東京タワーです」以外のものを語らないバスガイドのような、じれったさを感じる。
そんなことはきっとこのおじさんも分かっているはずだし、我が家でもゴジラならぬ双子のヨウジラが噛みまくっているからよく分かるのだ。そのつど、お前たちはまだうまく表現できないから噛むんだな、とか、なにかお前たちに悪いことをしたのかいと自問自答をするのだが、それでも相手はまるで犬、お手といって手を出すとかまれそうなほどで、きっと原因はもっと別のところにあるのだ。
そんなとき、幼児の凶暴性はTVと関係あるという、米国の心理学者の記事があったので、噛まれそうな気配-遊び相手になってやらないと犬と化す-を感じながらも読んでみた。
ところで似たような話で院長が子供のころ、一億総白痴化なる流行語があった。差別用語まるだしの言葉なのだが、とにかくTVを見ていると日本人みんな白痴になるぞという、ある”知識人”の警告だった。だが振り返ってみるとそれほどでもない。みんな白痴化してしまったからだれが白痴化したのか分からないのかもしれないが、それでも院長でさえこうしてメモができている。だからTVの影響なんてものはどうもうさんくさいとも思えるのだが、せっかくだから少し引用してみる。
「子どもに見られる攻撃的な振る舞いと子どもがテレビに接触する機会あるいは家庭でテレビをつけている時間との関連を調べるため、米国の20の大都市を対象に、1998年から2000年までに出生した子供の3,128人の母親からデータを集め分析した。親は、子どもが生まれたとき、および1歳および3歳のときインタビューを受けた。3歳になったとき、母親らは、典型的な1日の家庭のテレビをつけている時間と子どもが直接テレビを見る時間も報告するように依頼された。攻撃性は、2歳から3歳児のための15項目でのアイテムの攻撃性サブスケールを使用して、3歳時に評価された。攻撃性に対する人口学的情報および他の危険要因も検討された」
「母親のおよそ3分の2は、3歳の子は1日当たり2時間以上テレビを観ると報告した。概して家庭内でのテレビ使用により子どもは、1日当たりさらに5.2時間さらされていた」
「子どもが直接テレビと接触する時間および家庭でのテレビ使用時間は両方とも著しく幼年期の攻撃性に関係していた」
うちは2時間もTV見てないけど、よし、騙されたと思って、ためしに彼らの説を信じてみよう。いっそうのことTVを見せなければ噛みつかなくなるというわけだな。
うちのヨウジラがTVを見るのは、アンパンマンと”お母さんといっしょ”だけだ。だが問題がある。”お母さんといっしょ”を見せなくてもきっと文句はでないだろう。だがアンパンマンは違う。アンパンマンを見てはいけない、といった瞬間、こちらの体に噛み傷が何箇所もつけられることになるだろう。
一体どうしたらいいのか。どこかの新聞に”鎮静案内”でもないものだろうか。

まぁメモしているほど、実際は噛みついてはないんですけどね、っと、おいおい今から遊んであげるから噛むなよ。

ネタ元
TV Exposure May Be Associated With Aggressive Behavior In Young Children

“人生案内” への2件の返信

  1. アンパンマン禁止にする勇気は私にもないです(^^;;;
    噛むどころか、アンパンチされそう・・・。
    一億総白痴化・・・この流れで「白いご飯」の地位も落とされたのだとか。。
    私はその頃生まれてないので分からないのですが、
    信憑性のない言葉に振り回されるのは、いつの時代も同じなんですね(苦笑)

  2. 白いご飯にはトラウマに近い経験があります。生まれてからずっと麦飯と白米の混ぜご飯で育ってきました。もちろん外食することはありましたが、それは特別な食事という意識が優先し、そこで出される白米にはなんら疑問を抱きませんでした。中学生になると弁当持参になりまして、そのときほかの連中の弁当のメシが白いのを見て心から驚いた記憶があります。
    「なんでお前のメシ、白いの?」本当にそのままの言葉を投げかけたのです。
    TVばっかり見て育ちましたから、一億総白痴化説はあながち間違ってはいなかったのかもしれませんね。

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