ピンク

 

 女性がピンクを好むのは生来持っている傾向かもしれないという記事があった。なんとなく進化論的説明がされているのだが、屁理屈っぽさをとても感じたので、ちょっとメモしてみる。
 
 もともと男女とも青を好む傾向があることが知られていた。そこで英国の研究者がさらに男女の間で差があるのかどうか調べてみた。
 被験者は171名の英国人と最近中国本土から移住してきた37名の中国人で、男女の数はほぼ同じだ。
 実験はコンピュータ上で色のペアを見せ、どちらが好きか選ばせるというもので、ペアの数は750用意されている。


 やってみると以前の研究のように男女とも青を好む傾向が見い出せた。ところが女性はライラックのようなピンクがかった青を好むということが分かったのだ。おもしろいことに中国の女性の方が英国の女性よりよりピンクがかった色を好んだという。
 ピンクは女の子らしいという文化的要素が選択に関係していると考えられるが、問題は中国の女性だ。中国にはバービー人形などない。つまりピンクが女の子らしさを印象づける文化が少ないのだ。
 そうした環境で育ってきたにも関わらずピンクを好むというのは生来的なものとしてピンクを好む傾向があるのではないか、というのが研究者の考えだ。
 もちろん中国のなかにあるほかの文化的な要素も関係している可能性も研究者は考えているものの、「緑の草木のなかで赤い熟した果物をみつけやすくするために」人は色覚を発達させてきたという他の学者が唱える説にこの研究者は魅了されているようだ。
 
 この説を背景に、遠い昔、女性が果実を集めなくてはならなかったとき獲得した色調の好みが今も残っているというのが研究者が考えるストーリーだ。仮に果実が桃だけだとすると女性はピンクがかった色ではなく、ドンピシャ桃色を好むというわけだ。
 ついでに人が青を好むのは昔から青空はいい天候を意味し、青い水は良質の飲み物を意味するからだということも研究者は推論している。
 以上のような記事なのだが、どれほどの方が納得するのだろう。
 なにもかも進化論で説明しようとするのには無理がある。
 ブルーフィルム(注1)なのになぜピンク映画(注2)というのか進化論で説明できるのだろうか。木の実の色が好みの色になったという説とどこが変わるのだろうか、などなど素朴な疑問があるのだが、なにせ原文を読んだわけではないのでこれ以上のメモはできない。
 ただ研究者が唱える説が本当だとしたら、個人的にはやはり一も二もなく(注3)奇怪なことだと思わざるを得ない。
 そのときの驚きを表現すればこうなるだろう。


注1:米国でもテレビすらまだ普及していなかった時代、八ミリ映写フィルムに収録して供給されたアダルトテープ
注2:映画製作会社によって製作された、ポルノ映画のこと
注3:一も二もない(いちもにもない) :とやかく言うことない。異議がない。無条件に。 
ネタ元
Women may be hardwired to prefer pink

“ピンク” への2件の返信

  1. ブルーフィルムもピンク映画も懐かしい言葉ですね~。(笑)

  2. 色で表現されている分、AVより温かみがありますよね…ってわけないか。

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