テストステロン

 テストステロンとは男性ホルモンのことだ。
 米国の研究がこのホルモンと男性の経済行動を調べたという記事があった。経済行動のモデルとして用いるのは先日メモした最後通牒ゲームに少し変更を加えたものだ。


  26人の学生をプレイヤーとして募り、持ち金として40ドルを与える。そして匿名でほかのプレイヤーとお金を分け合うのだが、その際自分がもらう額として提示する額は5ドルかもしくは25ドルかしかない。
 言い換えれば自分は35ドルで相手は5ドル、もしくは自分は15ドルで相手は25ドルどちらかの場合を選ぶということだ。
 最後通牒ゲームでは相手方がその提案を受け入れれば双方その通りの額を手にすることができ、拒否すれば与える方とともになにも手に残らないルールだ。
 ゲームでの選択とテストステロンの関係を調べてみると5ドルの取り分を拒否したもののテストステロンの値は380という数値だったのに対し、受け入れた学生の数値はその40%ほどだった、という結果が出た。
 その理由としてもともとテストステロンは相手を支配しようとするホルモンであり、それが高いということは5ドルという相手より劣った立場に置かれるのを拒否しようとしているのではないのだろうか、ってなことがネタ元の記事に述べてある。
 ホルモンと行動の関係を探るという発想はおもしろいものの、テストステロンについていくつかの疑問がある。
 最近どうも色色色な欲望が低下しているのは、本当にこれが不足しているせいなのか、あるいはテストステロンの読み方はテス、トス、テロンではだめなのだろうか、そしてこれが一番重要なのだが、そもそも本当に相手を支配しようとするホルモンなのだろうか。
 最後の疑問に関しては確信はないのだが、一つの説にすぎないのではないだろうか。
 もしそれが違うとしたらなぜテストステロン値の高い人たちは5ドルを拒否するのか、考えてみる必要がある。 
院長  「集中力があるのではないか」
スタッフ「というと?」
院長  「穴が開くまで5ドルを見つめる」
スタッフ「それで?」
院長  「そのうち自分をあなドルものだと気づく」
スタッフ「…完全に訪問者を侮ってます」

 提案する側から見ると、高いテストステロン値をもつ人の方が25ドルを選ぶ若干の傾向があった、つまり少し太っ腹だった、ってなこともネタ元には書いてあるが、これについても”集中力”説で説明可能だ。
 相手に渡す25ドルを気を張って見つめる。するとやがて気ドル自分がいることに気づくのだ。
ネタ元
Hormones affect men’s sense of fair play

“テストステロン” への2件の返信

  1. え~と・・40ドルもって逃げるのは・・反則でしょうか?

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