スタンディングオベーション

昨日、日本の国会でのゼレンスキー大統領のオンライン演説がテレビで流れた。内容はさておき、演説終了後の議員さんたちの振る舞いに少し違和感があった。それはスタンディングオベーションだ。

映像を見る限りそこにいた議員のだれもが椅子から立ち上がり、拍手をしていた。
そもそもスタンディングオベーションはそれに対応する日本語がないから、外来語として定着しているのではないだろうか。もしそれがなかったら、その場にふさわしい言葉は”拍手喝采”だろう。きっと室内では座すことが多かったこの国の文化のなかでは、立ち上がらなくても拍手だけで相手を評価できていたのだろう。

大統領のオンライン演説はすでに数カ国で行われていて、その映像はすでになんどもテレビで流れている。そうした外国の議員の方々の立ち振る舞いと比べ、どことはなくぎこちなさを感じたものとしては、日本の議員たちはその映像に倣って椅子から立ち上がったような気がしてならないのだ。

もし大統領の演説が日本で一番最初に行われていたなら、西欧文化に慣れ親しんだ議員は起立したかもしれないが、拍手はしても立ち上がらず、むしろ立ち上がることに違和感を持つ議員もいたのではないだろうか。

とはいえ、きっとだれもが、座して死を待つことを良しとしないウクライナの人たちの決意に拍手したに違いないと信じたい。