シートベルト

 いつぞやシートベルトについて、ペーパーナイフのように鋭い考察をめぐらしたことがある。あまりの切れ味に読むのを恐れる人のために簡単に説明しておこう。もちろん、くだらん過去メモなどに目を通すのは時間の無駄だと考えている向きにも、大変役立つに違いない。
 そこに記されいることを一言でいい表せば、こうだ。
”なぜシートベルトをしなくてはいけないのか”


 二言でいっても、おおよそこういうことだし、三言でいえば、いうことがなくなる。
 もちろんシートベルトをつけていれば重大な事故を回避することができるかもしれないし、そのありがたみを広めることはいいんだけど、別にしてないからといってペナルティを受けるようなことじゃない。つけるつけないは個人的な問題じゃないのだろうか。そう主張したかったのだ。
 ところがこの竹ナイフのように鋭い刃先が刃こぼれしていたことを示す記事があった。
昨年の10月に出された、全米の交通事故15万件を解析した研究で、題は、「Unbelted passenngers endanger other occupants」というもの。つまり、「シートベルトをつけてないと他の同乗者を危険にさらす」、というものだ。
 非着用者は車の衝突時には、飛び出していくことになり、車内の他の人にとって危険物になるんじゃなかろうか、という仮説がある。つまり非着用者は車内で弾丸のようになるわけだ。
 それを検証するために、隣に非着用者がいるか、着用者がいるかで、ケガの度合いをみた。性、年齢、座席の位置、車や衝突のタイプ、スピードや事故の程度、それにその検討対象の人がシートベルトをしているかどうかについて分析をした。
 すると性とか年齢とか座席の位置とかに関係なく、非着用者が乗っているとどんな事故のリスクも40%高くなり、非着用者が横にいると、シートベルトをつけている場合、リスクが90%高くなるのに対し、つけてない場合はリスクは変わらなかった。
 ちょっとピンとこないかもしれない。大丈夫、一番ピンときてないのは、メモしてる本人だ。
 それでも少し考えてみた。つまり結論はこういうことじゃないかと。
 衝突時、シートベルトをつけていると固定されているので、非着用の横の人がどんとぶつかってくると逃げられない。してないと、隣の人がぶつかってきそうになっても、同じような動作を自分もしているので、その被害が少なくなる、と。
 まぁ深い解釈はどうであれ、そうとうでかい規模の研究だから一目をおくべきものだろう。
 2月に入ってから、年度末ということもあってか、警察のシートベルトの監視がきびしいように感じていた。同乗者にも目を見張っているから、もちろん助手席のカミさんにもシートベルトをつけるようきびしくいっている。
 ただ最初に述べたように、なぜ、個人的な問題に口をはさむのか、との不満もいまだにある。ついでに税金には口を挟まないでくれとの思いもある。
 だから、いつか堂々とシートベルト非着用で運転しようと考えている。もちろん、カミさんは考えが違うかもしれないから、しっかりとシートベルトをつけてもらいたい。もし警察にとがめられたら、こう弁を述べるつもりだ。
 弾丸になりたいんだ。夫婦のことに口を挟むな、と。

ネタ元
Unbelted passengers endanger other car occupants nj Prev 2004;10

“シートベルト” への4件の返信

  1. 世の中にアフォがいるから法律で規制するしかないんでしょうねー。
    酒気帯びも個人差あるでしょ。
    酒に強い人には試験して、缶ビール3本までは大丈夫って免許証に記載してもらいたい。
    http://www.cocojc.com/anom/anomu3.htm
    ↑で奈良漬け食って測定したら酒気帯びの数値になりました。

  2. 院長は酒に強い人かしら?
    免許証には「ビール半分でもだめ!」って書かれそう。
    はっきり言って、王様は強いです。

  3. 助手席に乗った シートベルトを子供がしてない時は ちょー安全運転になります…

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