マイナカードやそれに関連する医療機関へのオンライン資格システムの押し付け、最近、国とはなんぞやと考えさせられることが多い。
この本は改めてこの問いを思い出させるものだった。
2008年千葉県の犬吠埼沖で起きた、漁船沈没原因を追究したものだ。
国から出された結論は乗組員の証言や沈没時の海上条件とは大いに異なるものだった。国の裏事情の存在をなんとなく感じながら、興味深く読み進めることができた。
内容を詳しく紹介したいのだが、ほぼ本と同じ分量の文字数になりそうで、もしそれをもとに出版でもすれば国からなんらかのお咎めを付けてしまいそうなのでやめにする。
ただ、あとがきにとても興味深いことが書かれていた。
沈没した船の所有者、野崎さんは最近、テレビでよく出ておられる方だ。海への処理水放水について漁民の権利を守ろうとされいる福島漁連の会長さんでもあるからだ。
なんと 野崎さんが学生のころ住んだ街が著者が生まれ育った街であり、ほんのご近所さんだったことが取材の途中で分かったというのだ。
考えてみると、たんに同じ土地に住んでいるという事実だけが大きな要因として成り立っている国家。
いろんなことに、もう少し理解があってもいいのにな、とつぶやいても、せんなきことか。