60年拾った小石が実は隕石だったらしい。で、隕石って調べてみると日本では100個もないのね。
その数少ない隕石がここ直方市にもある。それを祀ってある神社の碑文には「平安時代の初め、貞観3年(861)の4月7日夜、境郷一帯が突然真昼の明るさ以上に光り輝いたと思うと、本社境内で激しい爆発音がしました」とあり、目撃を伴う世界で最古の隕石らしいっていうんだから、相当なもの。でも、あまりも知られてないのよね。
もっと宣伝して、観光資源にでもすればいいのになぁって、いつもこの隕石の話を耳にするたびに思ってる。
もう随分前のことだけど、直方市に入るところに、「ようこそ仏壇の街、直方へ」という、かなり大きな広告塔があった。というのは、全国的にも有名な仏壇店の本店が、いまでこそ大都市に移っているけど、当時は直方にあったのね。だからその会社が勝手に、「仏壇の街」にしちゃって。
なかには神道の人やクリスチャンもいるだろうけど、そんなの構わず街を仏壇ってものでひとくくりにしようって発想は、ハラくくってるよね。自分はいつ仏壇に入ったんじゃろうかと思った年寄りもいたんじゃなかろうか。で、やっぱり住民には不評だったようで、いつの間にか取り払われてしまった。
でもね、なんとしてでも仏壇を売ろうとする意気込みは、とても伝わるような気がする。
ぜひ行政の観光課あたりも見習って欲しい。で、もし会議で検討がなされるなら、こんなカンジ?
観光課長 「では、隕石を売り物にするため、看板を立てたいと思います。文面は、『ようこそ隕石の街、直方へ』でいいですか」
平の課員 「課長、それじゃ隕石が落ちてくる街ってな風に取る人もいるんじゃないですか。お年寄りなんか恐くて街に来るの避けるんじゃないですか」
観光課長 「じゃあ、どういう案がありますか」
平の課員 「どちらとも取れるように、『ようこそ隕石NO街、直方へ』はどうでしょ。自信があります。もしこれで企画が失敗すれば、わたしはインセキ辞任するつもりです」
観光課長 「分かりました。企画が立ち上がる前に辞めてください」
せめて、隕石まんじゅう、とか隕石せんべい、あたりでもいいかなぁって思ってるんですけど。