多様性




 壁があるとしよう。そこに窓があり覗くとビールが壁の向こうに置いてある。窓には頭を突っ込むことができるけど、手を伸ばしても届かない。
 さて、どうしたらいいだろう。ビールなど飲んでいられないほど悩ましい状況だ。
 だが東大の研究者らによると、この問題にオサムシはすでに結論に達しているようだ。


 オサムシはカタツムリを餌にしている。殻の奥に逃げ込んだカタツムリを手にいれるためにはどうすればいいか。
 答えは二つだ。
 一つはバリバリと力ずくで殻を破ればいい。そしてもう一つの方策は頭を細く伸ばし殻のなかに突っ込めるようにすればいいのだ。
 オサムシには顎の丈夫な連中と頭が細い連中がいるのだが、顎を強くすれば頭が大きくなり殻のなかに頭を入れられない。一方殻のなかに入るほどの頭だと顎が小さく殻を割ることができない。
 オサムシの多様性は、彼らがこの二者択一的な選択を行った結果ではないかというのがネタ元の内容だ。
 
 だがオサムシたちよ。君たちのそんなヤワな考えは人の社会では通用しない。
 人はその二つをやることができる生き物なのだ。力ずくでバリバリと殻を破り、かつ平気で頭をのばすことができる生き物だ。
 
 今国会を見れば一目瞭然。平気で相手を押しつぶし、平気で会期をのばす。
 それができるのも、一声かければ過半数になる、つまり要請すれば多数になる、多要請によるものではないかとにらんでいる。

 
ネタ元
The Beetle’s Dilemma
参考時事:
政府・与党、国会延長決定

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。