ゴッサムシティ

夜のニュースで直方市の市長が贈賄の容疑で逮捕されたと流れた。市長とはつい何日か前、街の焼鳥屋でとなりあわせの席になったことがある。小さな店で宴会用に二階もあるのだが、普段は一階の狭い座敷と7,8人もすわればいっぱいになるカウンターがあるだけの店。そのカウンターでのこと。


ボクも含めて5,6人の客がいて、途中で市長が店に入ってきた。待ち合わせのようで一人だけでカウンターについたのだけど、結構キャラが濃いお顔なので絶対その場のお客さんたちは市長と一目でわかったはず。
でもああいうときは、みんな対応に戸惑うのか、注文を訊くお店の人と市長のやりとりが終わると、しばらく店のなかには沈黙が漂った。
じゃあ、せっかくだからとボクが声をかけた次第で。「よく来られるんですか」まったく初対面だったのに市長はその質問に気軽に応えてくれ、ときどき来ることや、焼き鳥は福岡市の西中洲のなんとかという店と宮崎市のこれこれの店が、九州じゃ一番うまいと話してくれた。ほとんど市長の一方的なおしゃべりで、なんとなく人なつこい人柄が出ているような気がした。でもこんなとこで宮崎の話されてもなぁとか思っているうちに、待ち合わせらしき人が来てまた別々の酒をあおり始めたのが経過。
そのときボクはふと、バットマンのゴッサムシティを連想していた。
直方市は人口6万弱の小さな都市で市長と会う確率も、東京で都知事に会う確率よりは高いと思うけど、やっぱり場所が場所だし。なんとなくあの映画のなかのゴッサムシティのように、街に出れば市長に会うような小さな行政単位にしばられて生きているのかなぁと、複雑な心境で連想したわけで。
まぁそんなことは置くとして、容疑が事実なら、悪いことは悪い。収賄側(贈賄と収賄の関係はこのままみたい。つまり市長が持っていったわけ)はすでに捕まっていたみたいだから、心中穏やかでなかったのかなぁ。二軒の焼鳥屋についての話や話ぶりは、今考えると、少しおかしな対応だったのかもしれない。
もし容疑が確定するようなことにでもなれば、つぐないを終えられたあと、またご一緒させてもらい、どういう人柄なのかぜひ確かめてみたいものだ。
バッドマンリターンズって気持ち。

(こんなことメモしてよかったのかなぁ)

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