キング

ここ数週、PythonのFlaskについて学習を深めている。電子カルテ共有に向けてお上が提示するFHIR規格に対処するためだが、WEB知識が求められるだけでなく、情報量が多いためなかなか手ごわい。
いったい日の目を見るときがくるのだろうかと不安を抱えつつも、今日もTVで流れていた映画を横目に勉強をしていた。

題名は「英国王のスピーチ」だ。
1939年欧州で侵略を繰り返していくナチスドイツに対し戦いを宣言した英国王のスピーチだが、なんとなく耳に引っかかった言葉があったので、Flaskの学習の手を一時止め、改めてネットで拾ってみた。

It is a principle which permits a state, in the selfish pursuit of power, to disregard its treaties and its solemn pledges, which sanctions the use of force or threat of force against the sovereignty and independence of other states.

結構知らない単語が出ていた。調べると
solemn pledges 厳粛な誓約
sanction 承認する
the sovereignty and independence of other states. 他の国の主権と独立、などなど。

これを踏まえて、改めてグーグルにお願いすると、

「それは、国家が利己的な権力の追求において、条約や厳粛な誓約を無視することを許し、他国の主権や独立に対する武力の行使や武力の威嚇を正当化する主義である」

Such a principle, stripped of all disguise, is surely the mere primitive doctrine that might is right, and if this principle were established through the world, the freedom of our own country and of the whole British Commonwealth of nations would be in danger.

なんとか理解できるが、これもグーグルにお願いすると、こうなる

「このような原則は、すべての偽装を剥ぎ取れば、確かに単なる「力こそ正義」という原始的な教義であり、この原則が世界中に確立されれば、我が国とイギリス連邦全体の自由が危険にさらされるであろう」

そしてこれもなんとか。

But far more than this, the peoples of the world would be kept in bondage of fear, and all hopes of settled peace and of the security, of justice and liberty, among nations, would be ended.

「しかし、それ以上に、世界の人々は恐怖の束縛に縛られ、国家間の安定した平和と安全、正義と自由へのすべての希望は消滅するであろう」

ざっとこんな箇所に耳が反応したのだろうが、ふと思う。
これって、カナダやグリーンランドの領有権を主張したり、WHOやパリ協定からの脱退など世界をシャフルしようとするトランプのキングとは全く真逆のスピーチではないだろうか。
同じキングなのになぜこれほどまでに違いが出るのだろう。

ということで新たな疑問を加えながら、同じように先の見えないFlaskの学習に戻ったのであった。