骨髄

正直にいおう。若い女性が好きだ。骨の髄まで好きだ。
いや、待て待て、いいたことがちょっと違うぞ。普段の行いがよくないせいか、筆がスヶベってしまった。性別は関係はないのだ。そして人の好き嫌いでもない、そうだ、とにかく若い人の骨の髄が好きなのだ。

きっと色ぼけオヤジ以外、だれもがそう思うに違いない記事があった。

米国のCedars-Sinai Medical Center の研究者らが認知機能が落ちかかった生後18ヶ月のマウスを2つのグループに分け同じ生後18ヶ月のマウスと生後4ヶ月のマウスの骨髄をそれぞれに移植し6ヶ月後に調べたところ4ヶ月のマウスの骨髄を移植した方が認知機能が改善していたという。さらに脳のなかの記憶に関係する海馬を調べてみると4ヶ月のマウスの骨髄を受けた方がより多く神経のつながりが見られたらしい。

脳には脳血管関門というバリアがある。若い女性がオヤジにバリアを張るような目に見えない防御機構で簡単に血液の影響が脳に届かないようになっている。だから基本、血液中にある免疫系の細胞も脳にいかない。
そこで脳内、つまりバリアの中にあるミクログリアという細胞が脳内の免疫を担っている。その細胞の働きがうまくいかないと神経のつながりを壊したりするらしい。そのミクログリアを正常にするはたらきが若い骨髄にあるという。

そうか、最近、なんだか頭が少しはっきりしない。頭のなかがミクロにグリャとした感じはこれが原因だったのか。冒頭のいい間違いも納得がいく。

移植といっても骨髄から採取した血液を点滴するだけのこと。ここでの研究は実際にアルツハイマーなどの治療につながる可能性があるようだ。

もし実現した折りには早速使ってみたい。このオヤジのなかに若い骨髄を入れれば入れた分だけ、きっとオヤジのバカさ加減もよくなっていくのだろう。

だれかに感想を聞かれればこう答えようと思う。
「髄、分、よくなりました」

Young bone marrow rejuvenates aging mouse brains