象はハチのブンブン音を嫌っていることが判明した。この習性を利用して人と象との不意な出会いをなくし、人にとっては穀物や樹木を荒らされることを、象にとっては殺戮される機会を減らすことができるかもしれないという。
オックスフォード大学の研究者が発表したものだ。
以前よりこんな事実が観察されていた。象はアカシアの木を傷つけるのだが、ケニアではハチの巣がある木はほとんど傷ついていない。またジンバブエではハチを避けるために象たちは新しいけものみちを作っていたという。
それをヒントに研究者はアフリカバチの羽音を収録し、それを枝に模したプラスチックの木に仕込み、その木陰で休んでいる象の家族に4分間流してみた。
すると17家族のうち、16家族が80秒以内にその音から逃げ、半分が10秒以内に反応したのだ。
1家族は反応しなかったが、若い家族でハチの攻撃を受けたことがないだろうと研究者は考えている。
おもしろい研究だが一筋縄ではいかなかったようだ。
まずハチの攻撃を避けながら羽音を録音するのに場所選びを含め苦労をしたと研究者は述べている。それでも一刺し、二刺しの経験は当たり前だったようだ。
それだけではない。研究そのものについての偏見と闘わねばならなかったのだ。
以下は研究者の言葉である。
「人にこのアイデアをいうと、大抵は失笑を買ったわ。あんなに大きくて強い象のような生き物がちっちゃなハチを怖がるなんて、想像しただけでも滑稽でしょうからね」
「だけどアフリカバチの一刺しは人にはとんでもなく堪ったものじゃないんだから。わたしを信じて!目のまわりとか耳の後ろとか上半身とか、象にとって敏感な場所にハチが一刺ししたときのことを想像するのはむずかしいことじゃないはずよ」
これらの発言から、彼女はきっと大学のなかでは変わりものとして評価されていたのではないかと推測される。「そんな馬鹿な考えは止めたまえ」、そういった忠告も受けていたかもしれない。
だが事実は違った。大学のなかでは想像もできない事柄が明らかになったのだ。
こうした事態にふさわしい言葉がある-象牙の塔、だ。
学者たちが研究熱心なあまり、現実社会と疎遠になり学問の府に閉じこもったときに使われる言葉である。
そんな大学の学者たちの驚きは、いかほどのものだっただろう。象が逃げるなんて、そんなバカな。そんな思いを込めて彼らが口にする言葉は、きっとこうであっただろう。
”象牙の塔”という言葉を初めて知りました!勉強になりました!!
”象牙の塔”にならなくても色々と勉強になるこの院長室はスゴイですね!!!
そんなに誉めてもらうと、頭が白いキョトンになります…って分かってもらえます?
わはは、オヤジギャグはこのくらい下らない方がいいですね。←失言か?
刺されたことがあるので私もハチは苦手です~っ!
”下らない”は好きな言葉です。
”君の生活はこれ以上、上らない”といわれるより、”君の生活はこれ以上、下らない”といわれる方が安心します。