紛らす

 サルよりは賢いだろうと日頃から自負している。
 たとえばビールが手元にないとしよう。そしてたまたま機嫌のいいカミさんに買い物の品目に入れてもらえたとする。
 しばらくすればビールが目の前に存在するわけだ。その間、気を紛らわせることができる。こんな芸当はサルなんかにはできないに違いない。そう思っていたが、どうやら違っていたようだ。
 チンパンジーも気を紛らすことができるという。


 米国の研究者らがやった実験はこんな具合だ。
 箱のなかへキャンディを一個送り出す機械をチンパンジーの檻のなかに設置する。キャンディは30秒に一回出てくるようにセッティングしてある。チンパンジーはキャンディをすぐに手にすることができるが、そのときは次のキャンディは出てこない。もし待つことができればさらに多くのキャンディを手に入れることができるというわけだ。
 待つことができるようトレーニングしたあと、雑誌や歯ブラシなどの”おもちゃ”を与えて気を紛らわせることができるかどうかをみようというものが実験の目的である。
 まず”おもちゃ”がないときは平均6分待つことができ、計12個のキャンディを手に入れることができた。
 ところが”おもちゃ”を与えると平均9分待つことができたのだ。
 もちろんこれだけでは”おもちゃ”に気を取られているだけかもしれない。ということで”おもちゃ”と遊んでいる時間を二つの条件の下で測定してみた。
 一つは箱のなかの手の届かないところにキャンディが出てくるようにセッティングした場合で、もう一つは手が届く場合だ。
 すると届かないときは平均5分だけ”おもちゃ”で遊んでいたが、届くときは平均7分遊んでいたという結果が出た。
 つまり単に興味をもって遊んでいただけでなく、気を紛らすために”おもちゃ”を手にしていたのだ、というようなことがネタ元に述べてある。
 正直驚いた。じゃあなにかい、ビールが来る前に焼酎で気を紛らしている院長とチンパンジーは一緒というわけ?いやそれどころか、主に茶という主茶じゃ気が紛れない院長はチンパンジーより劣っているわけ?
 研究者に訊いてみたいものだ。



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