無知


リチャード・ドーキンスの「進化の存在証明」を読み終えた。生物の進化は事実だということを証明し、神が生き物を創ったとする創造論を辛辣かつ詳細に反論したものだ。600ページもある大著で、能力があれば内容をもう少し詳しく披露できるのだが、きっと600ページほどの紹介文になりそうなのでやめにする。
この書の訳者のあとがきに気になる箇所があった。欧米では多くの人が進化論を否定している状況にたいしての訳者のなげきの弁だ。


”このあいだテレビを見ていたら、若い女性が、月と太陽は同じで、太陽が沈んだら月に変わるのだと思っていたと発言しているのを聞いて仰天した。日食や月食はなぜ起こると思っているのだろう?科学的知識一般について、無知は同じようにはびこっているのかもしれない”
そういえば同じような経験をしたことがある。こちらのケースもうら若き女性で地球に関するものだが、川が海に繋がっているとは思わなかったというのだ。直接耳にしたのだがなにかいう立場になかったのでそれ以上の伸展はなかったのだが、訳者風に問えば、川の水は一体どこにたまっていくと思っていたのだろう。
”科学的”などと大上段に構えなくてもほんの少しでも考えることをやれば、月と太陽は違ったもので、川は海につながっているということは分かろうというものだ。
ホントに無知とは怖い。前回のメモを見ればさらにそのことはさらにはっきりする。
ソフトボンドだって?一体なんのことだ。
科学館の白衣のご老人がなんども口にした言葉だったはずなのだが、”あれはホットボンドなの”とメモを読んだカミさんの指摘で初めて気付いた。確かに電源に繋がっていたピストルの先から出てくるボンドは温かく”ホット”だった。ボンドなんてもともとソフトなものだ。少しでも考える力があればソフトボンドなんて名称があろうはずがないことは気づくべきだったのだ。
種の起源より酒の期限が気になるよう進化を遂げた中年男性に起こった聴力障害か、などとドーキンスかぶれ的フレーズを語ってみても、恥ずかしさはとても拭えないのだった。

“無知” への1件の返信

  1. 若い女性に恨みでも?(笑  ウソウソ
    無知なことを恥と思わないところがカワイイんですよ、女の子は!
    胸ばっかりムチムチして…

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