信用

 医療という行為はある意味疑い深い性格が要求される。これは重要なことだ。たとえばほかの人が準備してくれた注射がほんとうに正しい内容なのか、いつも疑ってかかる必要がある。
だからだろうか。院長が下した診断をスタッフは疑いの目でみている。


 でも信用というものは、いろんな関係を積み上げていくなかでしか勝ち取れない、時間がかかるものだ。この年ではもう一生手にすることができないかもしれない…と嘆いていると朗報があった。
 短時間で信用させることができる薬があるのだ。チューリッヒ大学での実験で明らかになったことだ。
 見知らぬ”投資家”にお金を委ねるというゲームを行わせたところ、オキシトシンというホルモンを嗅がせると、プラシボを嗅がされたときより、より多くを投資した。同じゲームをコンピューターを”投資家”に見立ててさせると、そのホルモンとプラシボの間には差がなかった。
 つまり人での信用を作ることのできる薬というわけだ。
 人をだますのに使われるおそれについては、研究者はこう語る。
「頭に作用するのに1時間はかかるし、臭いをつけることも可能だ。こっそり飲み物に入れてもうまく作用するかどうか分からない」
病的に内気な人の治療などに用いることも可能だという。
 以上がネタ元の内容だが、このホルモンの作用については以前メモしたことがある。そのとき引用した実験も、お金を使ったものでオキシトシンレベルの高い人がもっとも気前がよかったというものだった。
 そもそもオキシトシンは乳汁の分泌を促進させるホルモンで、母子との関係を深める作用もあろうというものだろう。
 もし実用化された折りには、クリニックの壁にでもこっそり噴霧しようかと思う。
 これで患者もスタッフも、落ち着いて院長の言葉を聞けるようになるに違いない。
 ただ副作用はないのだろうか。内気な人の治療も視野に入れている薬だ。一番こわい副作用は次のようにズケズケといわれることだ。
「院長の言葉は信用おけない」

ネタ元 Trust me, I’m spraying you with hormones
参照 ’03.12メモ”オキシトシン”のリンク先

“信用” への4件の返信

  1. スタッフの方々は医療については信用してると思います。
    ただ、シャレが寒いときだけ疑りのマナコになると思います。
    「BLOG STATION」のKenさんのTB企画に、
    「院長室」を紹介しました。お許しを得ないで
    UPしました申し訳ありません。その記事を
    ここにTBします。

  2. ができません、申し訳ありません今日は中止して
    明日の朝もう一度試してみます。

  3. 患者やスタッフに効果は出るかもしれないけど、院長がだまされやすくなるのではないでしょうか? 注意注意!

  4. 【TB企画】面白いブログが読みたい!

    BLOG STATIONの記事を受けて、
    「わたしの好きなブログ」を挙げたいと思います。
    ■わたしの好きなブログ・パート1
    その1 【秋田おそがけ新聞】  管理人:メタロー氏
    推薦理由:秋田県には大手新聞を越える「秋田魁(さきがけ)新報」があります。
    その「秋田魁新報」

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