予知能力

 若い頃予知能力にあこがれ、切ったトランプを伏せてはなんなのかを当てようとしたことがある。 
 だがなんどやってもほとんど当たらない。やはりそうした能力はないのだとあきらめていたが、ここに至って再び予知能力は存在するのではないのかと思い始めている。
 診療の前に感じる、”今日は患者が少ないぞ”という予感がかなりの確率で当たるのだ。スタッフにいわせると院長のこの幼稚能力におそれをなして患者がこないのだという。


 ああ、本当はどうなのだろうか。そう悩んでいたとき、やはり予知能力はあるのだという記事が目に触れた。
 ただしこれは電話やメールを通じての予知だ。
 英国の研究者がやった実験はこうだ。
 被験者から4人の知人または親戚の人の電話番号を教えてもらう。その4人のひとりをランダムに選び出し、その被験者に電話をかけてもらう。
 被験者はかかってきた電話に出る前に誰からか予測するというものだ。
 4人のうちの一人を当てることになるから確率は25%辺りだろうと期待されるが、結果はその値よりかなり大きな45%だったというのだ。実験に参加した人は63人で、こうしたことが起こる確率は1兆分の1だという。
 同時に行った50人の被験者に対するメールの実験-この場合は5人を教えてもらい、着信の前にだれからか当てるもの-でも同様の結果だった、ってなことが記事にある。
 実験としては被験者の数が少ないとか、予知する相手の数が少ないんじゃないのという疑問も投げかけられているというが、それにしても高い数値だ。漠然とした予知ではなく、なにか媒体があれば予知能力というのは発現するとでもいうのだろうか。
院長  「ということで実験をしてみたい」
スタッフ「ふむふむ」
院長  「かかってくる電話がどの患者か当ててみる」
スタッフ「ふむふむ」
院長  「…」
スタッフ「…」
院長  「…」
スタッフ「…かかってきませんね」
院長  「こちらからかけてみるか」
スタッフ「出ないと患者に予知能力があるということですね」
院長  「ふむふむ」

ネタ元
Telephone telepathy

“予知能力” への2件の返信

  1. どうなんでしょうか。なぜ患者がこないのか、予知能力どころか、現状も把握できません。

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