直感

 直感を信じて生きてきた。直感的にそれでいいと思っていた。だがもっとほかのものを信じていれば違う人生があったはずだ。年取った今なら直感で分かる。だがいまさらどうしようもないと直感的に思う。
 つまりは深く考えてこなかった人生だったのだが、まんざら直感も悪くはないぞ、という記事があった。


 記事だけでは実験の内容がよく理解できなかったのでネットで調べてみると、どうもパソコン上の間違い探しのようだ。
 図のようなたくさんの同じ図柄がパソコン上に映し出されている。そのなかに角度を少し変えたものが一つある。目の動きをモニターしながら時間を一瞬から1.5秒まで変えて見せたあと、それが画面の右側にあったか左側にあったかを訊くものだ。

 すると一秒以上対象を注視しているときは正解率は70%だったのに対し、ほんの一瞬みたときの正解率は95%だったという。
 
 これは意識が意識下の認識を押さえていることで起こる現象らしい。たとえばリンゴは回転していてもリンゴであると意識は認識している。それと同じで回転している図柄を見た際、直感的に異なると判断しても意識はほかのものと一緒と見なしてしまっているのだ、というのが研究者の見解だ。
 なるほど、そうだったのか。心が救われるような気分だ。これまでの生き方でよかったのだ。深く考えずに生きていく、これこそが正しい道だったのだ。
スタッフ「ピンとひらめく生き方ですね」
院長  「そうそう」
スタッフ「ピンとくる生き方」
院長  「そうそう」
スタッフ「ピント狂ぅ生き方」
院長  「…やっぱり」
 

ネタ元
Use The Force, Luke

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