嘘発見器はハイテクを使ってもなかなか嘘を当てるのがむずかしいというニュースより。
「特に逃れようのない証拠を尋問する側が握っている場合、90%以上の確率で嘘を見分ける」ことができるけど、脳波を使ったりしても、現時点ではかなり信頼性が薄いみたい。
で、思い出したこと。
小学生も上学年の頃、どういうわけかハンダつけがうまい人にあこがれていて、自分もとラジオ工作の本などを買ってもらってはながめていた。そのなかににあったのが「嘘発見器」の設計図。近くの街まで電車に乗って部品屋さんに行き、なにがなにやら分からないまま、指定してある通りのものを買い求めた。
で、家で設計図を見ながら組み立て、さぁ実験。当時は実家は商売をやっていて、何人かいた従業員の人たちにお願いしたんだけど、相手にしてくれない。
まぁそりゃそうだわな。頭の悪そうなガキが作った配線剥き出しの機械なんぞ、感電するのがオチとういのが順当な評価だろう。
で、母親に実験台を頼んでも、嘘が分かるなどそんなバカな話はないと一笑に付される。父親はせっかく作ったのだから、やってやればとまではいうけど、自分からはやろうとはしない。
結局、血を分けた兄姉二人が実験台になってくれた。
「あなたは男ですか」とか「今日は日曜ですか」とかたわいのない質問をしながら、針の動きを見る。確かに動きはするんだけど、それが質問とどういう関係にあるのか分からない微妙な動きでして。
でも、兄姉たちは、嘘の質問に対しては、「動いた」といってくれたけど、こちらはそんなもんかいな、というきわめて消化不良のまま実験終了。ハンダつけもうまくいったこともありいつしか嘘発見器への熱は冷めていった。
でも今こうしてメモしてて思うんだけど、あのとき、兄姉たちは少年院長に”思いやり”と書かれた小さなチケットをくれたんじゃなかろうか。そこに書かれた言葉は小さな嘘だったけど許される嘘。
ということで、ちいさな嘘発券機の思い出メモでした。