メモに行き詰まったらいつも初心に帰るようにしている。だが肝腎の初心が思い出せなくて困っていたところに、こんな記事が目に入った。「ニワトリの脂肪を燃料に変える研究」というものだ。
そうだった。この記事のおかげで初心を思い出した。それは熱く燃えるようなメモをすることだ。その気持ちを忘れず、ニワトリさんの脂肪の話をしてみたい。
石油や石炭などの化石燃料には限界がある。一方生物燃料、たとえば大豆から取れる油にはとりあえず限度がないが、抽出するのにコストがかかる。安く生物燃料が得られないかとアーカンザス大学の研究者たちがいろいろやったところ、どうもニワトリの脂肪が候補として上がってきた。
原油から出来る燃料に5%から20%ニワトリ油を混ぜれば十分機能するという。
この研究では脂肪酸が2%以下の良質の脂肪と、脂肪酸が6%もある低質のものを使われている。両者では製造過程が異なっていて、良質のもので精製されたものは低質のものより高くつくが、それでもともに大豆油よりは安く上がるという。
以上がネタ元のおおよその内容だ。ぜひ大きな実を咲かせて欲しいものだ。
だがもちろんこんな紹介だけではだれも熱くならないだろう。熱くなるのは研究者たちが研究に打ち込む姿を想像したときだ。
考えてみるがいい。ニワトリの脂肪を手にするとき、脂肪だけですますだろうか。きっと肉も調達しているはずだ。ましてや研究対象は燃料だぞ。すぐに調理に移れるではないか。あとは酒でもあればたちまちのうちに毎日が宴会だ。
研究者は開発したニワトリ燃料を出来合いの燃料に混ぜる。きっと混ぜるための懸濁機とでもいうべき器械があるのだろう。片手にあるビールを一口呑んだあと、おもむろにスイッチを押す。すると懸濁機のなかの回転羽がゆっくりと回転を始める。
研究者たちは燃料が出来上がるまで、今日の反省をするに違いない。だがすぐにつまみの料理をなににするかの議論に移るだろう。
そしていつもニワトリ料理の王道、唐揚げに落ち着く。これが実にうまいのだ。
燃料とともに将来、懸濁機フライドチキンとして大きく躍進するかもしれない…そんな話で夜は更けていく。
院長 「どうだ。これが燃えるような熱いメモだ」
スタッフ「燃えるゴミと一緒に燃やしてくださいね」
院長 「はい」
ネタ元
Researchers Convert Chicken Fat to Fuel