このタコが、と日々患者から非難され続けている。もちろんマンマの言葉を面と向かって投げかけられているわけではないが、患者の不満そうな口元や猜疑心に満ちた目を見れば分かる。このクソ院長が、このアホ院長が、このタコが…そうした患者たちの心の声が聞こえるのだ。
だが患者たちよ、あなたたちは間違っている。院長はアホ医者だという点は確かに正しい。問題は比喩に用いられたタコだ。実はタコは院長ほどアホではないのだ。
それどころかネタ元の研究記事によるとタコはとてもかしこい。intelligent animals つまり智慧を持つ動物と同じような振る舞いをしているのだという。
たとえばこんな具合だ。
タコさんたちはとても力持ちで、二枚貝の殻を開くのは簡単な作業らしい。そんなタコさんでもハマグリとムラサキガイのどちらが好きか聞かれると、ムラサキガイを選ぶという。なぜならムラサキガイの方が開けやすいからだ。診断がつきやすい患者を選ぶ院長と一緒だ。
だがそれから先は違う。試しにムラサキガイの殻をチェーンでしばって開かないようにすると、タコさんたちはオウムのようなくちばしで殻を割りなかに毒素を送り込んで貝を殺し殻を開けようとする。ようするに臨機応変なのだ。風邪のときにはルル三錠しか思いつかない院長とは大違いだ。
さらにタコさんたちは個性を持っているともいう。
タコさんをいろんな状況、たとえば上が開いたタンクに放り込まれる状況、棒でつんつんつつかれる状況、たくさんエサをもらえる状況に置くとその行動は千差万別だったという。これについてはまだまだ研究の余地があるようだが、とにかくビールをたくさん飲める以外特技がない院長と同程度の個性をもっているようなのだ。
ネタ元には軟体動物の神経系や脳の大きさがタコさんたちは特別だ、みたいなことが述べられているが、メモしながら口にしていたビールがそろそろ回ってきたし、つまみのタコが歯に挟まってなんとかしたいのでネタ元の紹介はここらでやめにする。
とにかく患者たちに分かって欲しい。今日のメモでは不十分かもしれないが、タコさんたちは智慧を有しているのだ。どうかタコと院長を一緒にしないで欲しい。それでは智慧を持っているタコさんたちがあまりにかわいそうだ。
だから院長に対し頭が来たとき、院長が本当にタコと一緒かどうか、こんな言葉を唱えながら決めて欲しい。
タコもおだてには弱いですかね?
ターコ、ターコ 天まで上がれ・・・
4月12日のコンサート、ごタコをお祈りいたします。