サブリミナルというのが、最近テレビで使われたというので騒がれている。
サブリミナルとは、見る者が分からないほど、流れる映像に一瞬だけ意図した画像を流し、深層心理に訴えようとするもの。
昔読んだ本では、映画館でコーラを飲むシーンを入れたら、休憩時間にコーラの売れ行きが伸びたというのがあったけど、実際のところその効果については、議論があるところと理解している。
で、ネットで確かめたらこんなサイトがあった。
そこでの結論は、一瞬の映像が、意識の奥底になんらかの影響を与えているようだけど、それがはっきりした効果に結びつくというまではいえない、というもの。
影響を与えているというのは、いくつかの実験で確認されていて、そのなかで有名なのが、「ミューラー・リアーの錯視図形を使った実験」だという。
左の図がミューラーの図形。中の直線は同じ長さだけど、両側に矢印が付くと長さが違って見える。
これを使っての実験で、ちょこっと作ってみたのでやってみて。
それはさておき、この図を最初に見たのは、小学校の低学年のとき。うちはお店をやっていて、働いていたお兄さんが教えてくれた。
最初見せられたとき、正直驚いた。どうしても <-> より >-< の方が長く見える。お兄さんは「不思議だろ」と得意げにいうんだけど、それがどうして不思議なのか、分からなかった。
幼い院長の疑問をそのままにして、お兄さんはその場を立ち去っていったのね。
それからどれくらい経ってからだろう、真理が分かったのは。おそらく年の月日は過ぎていたと思う。雑誌かなにかで同じ図形の説明を読んだとき、すべてが分かった。
お兄さんがいってたのは、中の直線の長さのことだったのね。
全体の長さだったら、絶対 >-<の方が長いよね。「どっちが長く見えるか」しか訊かず、直線のことなど全然いってなかったんだよなぁ、あのお兄さん。
だから得意がるお兄さんがとっても不思議だったわけ。
でもね、思うに、あのころから人生の錯覚というものが、幼い院長の意識下に染み始めたのかなぁ。