経文



 耳なし芳一を彷彿させる台湾の老人がいる。クルマにお経を書き続けているのだ。ネタ元の記事を要約するとこんな具合。


 71才になるリー老人が手を付け始めたのは9年まえのことだ。自分の自動車と2台のトラック、それにバイクの車体はもちろんのことミラーからフロントガラス、ドアや車輪、はてはナンバープレートにいたるまで仏典からの言葉で埋め尽くされている。
「他人のクルマに落書きしているんじゃないかと通りがかりの人から思われるは、警察は警察で誰かが書いたとはにわかには信じられないようで、いろいろ面倒なんだよ」
「公衆の道徳意識が下がっていると感じる。だから仏典からのありがたい言葉を書き始めた」、小学校しか出ていなくほとんどの言葉を仏典から学んだというリー老人はそう語る。
 毎日なにかを書き記し、以前書いたところが汚れていればまた書く日々を送っている。
 
 ネタ元にはざっとこんなことが述べられているのだが、少し気になることがある。記事の終わりに紹介されているリー老人の家族の意見だ。
 まず息子のコメント。
「家族は父さんが新車を買うのを禁止している。どんなに高かろうが父さんはまた言葉で埋め尽くすことをみんな知っているからね」
 そして最後の最後にリー老人を思い遣る孫の意見が紹介してある。
「大きくなってお金をもうけたら気が済むまで掛けるよう多いなバスをおじいさんに買って上げるんだ」
 息子とは真反対の立場だ。つまり老人は家族のなかに不和を生じさせている可能性があるのだ。
 趣味は趣味でいい。字がヘタで、カルテに落書きしているのではないかと患者から思われる面倒な日々を送っているものだから、リー老人の気持ちはよく分かる。
 だが家族は仲良しが一番だ。
 
 だからリー老人、一回やめてみたらどうだろう。
 遠い国からの忠告だけど聞いてもらえないだろうか。え、無理?
 だったらあなたのことをこう呼ばせてもらうぞ。



ネタ元

“経文” への2件の返信

  1. だじゃれはともかく・・(ああっ!、これは禁句だったかも!)←そう思ったら書くな?
    お経の書かれた車は暴走族が喜びそうです。

  2. どうでもいいダジャレにわざわざコメントいただきまして、どうもキンクス…じゃなくサンクスです。

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