遺伝子

進学先も決まり双子の子供らが中学卒業モードに入った。長い休みの時、ときどきテーマを決めて話をすることがある。これから先、科学の本を読む際に役に立つだろうと思い、遺伝子の話をすることにした。ここ数日その準備を始めている。

といっても以前、看護学校で使ったスライドがあったので、その再整理ということになる。なんとか学生さんたちに理解してもらおうと100均にある小物を組み合わせて作ったものだ。

知ってほしいことの肝は地球上のすべての生命が同じ理屈で生命の維持と再生産を行っているということだ。それは単細胞からすべての種が進化してきたことを意味する。

そしてそれらは自然の摂理のなかで、あるものは個体が消滅し、あるいは系譜を絶たれ、あるものは生命誕生からの何十億年の記憶をさらに伝えていくことになる。

ただひとつの生物種、ホモサピエンスだけが、その摂理からはずれ、肥大化させた欲望を理不尽に、ときには同一種に対しても押し付けてくる。それはときに不合理に個体を消し去り、あるいはその系譜を絶つこともいとわない。

たしかホモサピエンスとは賢い人間という意味だったはずだ。どうかその言葉の意味が過去形にならないようにと、心から願う。