運動

診療をしていてときどき戸惑うことがある。生活習慣のアドバイスは患者に役に立っているのだろうか。
たとえば「お酒はほどほどに」といってはみるものの、果たしてそれが患者にとっていいことなのか、ほどほどでない状態は本当に体に悪いのか、それを確かめるためにいつも、ほどほど以上の量をたしなんでいるのだが、いまだに分からず今も確かめている最中だ。
運動もそうだ。勧めるものの、どれくらいが適当なのか迷ってしまうが、認知機能に限ってそれを検討した”予備的な研究”があった。

平均年齢67歳の34人を対象にした研究だ。内容を箇条書きにすると次のようになる

1)固定バイクで20分だけ汗をかくほどガシガシ運動をした群と、ちんたら漕いだ群を比較すると、ガシガシやった方の認知機能が改善していた。

2)同じ固定バイクを1回50分、週に3回やった群と、4分を週に3回つまり週に12分(と書いてある 週に50分×3回の150分は書いてない オヤジ注)やった群と比べると50分の方が認知機能が改善していた

3)でも、50分で改善したなかでも1)の20分で改善した人だけが改善していた 

さてさて、どうだろうか。前日のアルコールを抜くために、そして今宵の新たなアルコールを迎えるために、このオヤジも運動している。たしかに予備的論文であり、認知機能に限られたこととはいえ、運動が、ある人たちにはあまり意味がないかもしれない可能性を指摘されては、いささか戸惑ってしまう。

そして”ほどほどの量”の確認作業が進んでいるせいもあってか、読み直しているとだんだん不信感がわき、やがてそれは怒りに近いものになってきた。

だいたいこの時間の割り振りはどうしてそうなの、え、言えるなら言ってみなさいよ。いえないなら、蓮舫さん呼んでくるよ。
なんで50分とか4分とか、週に12分なんですか? 一体全体、この時間の取り方の根拠はなんですか?え、え?いってみなさいよ。

じゃあ、聞くけど、12分とかいうなら、なんで10分がないの。
え?え?

十二分に検討してあるけど、あんたら、十分じゃないんじゃん、みたいな分かったような分からないような。

(いつも研究者には申し訳ないけど、これが精いっぱいッス)

ネタ元