角膜

 眼球にある角膜の治療に、自分の口の粘膜の細胞を移植する方法が考えられているという。他人の角膜移植と違って拒絶反応がないのが特徴。普段コンタクトを使用するものとしては、角膜損傷のリスクを背負っているわけで、少ないながらも失明のケースもある以上、とてもありがたい話だ。


 この角膜というのは、いろんな特徴があるんだけど、一番はやはり透明じゃないといけないとうことじゃなかろうか。それを口の粘膜がやってのけるというのは、とても不思議な気がする。
 そもそも目と口は、仲がよくないはずだ。長い人生の経験はそう語っている。
 いくら口説いても、目もくれない。口惜しいけど、エサは金目のもの。なんとか一緒になっても、へらず口を叩けば、痛い目に会う。
 こうしたつらい人生は、目と口の相性のなさを教えてくれている。
 その不仲説を押し切って、口と目をくっつけようとした研究者の発想はすばらしい。
スタッフ「目と口の仲が悪いとか、やっぱりないでしょ」
院長  「じゃあ、たとえばおしゃべりな人の口の粘膜を移植すると、まばたきが多くなるとか、は?」
スタッフ「ますます、ないでしょ」
院長  「いや、これこそ経験が物語ってるんじゃないかと」
スタッフ「というと」
院長  「目は口ほどにものをいうというでしょ」
スタッフ「なるほど。じゃあ院長の場合はまばたきがなくなるんですね」
院長  「というと」
スタッフ「いつも口が開きっぱなしですから」
院長  「…ついでにヨダレも出てると」

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