脳卒中

 月曜に脳卒中が多いというニュースから。
 40才以上を対象にした研究で、性別、年令を問わずその傾向が見られたという。とくに40から60才までの人では、女性では「日曜日の発症が約11.3%なのに対し、月曜日は約17.2%で」、約1.5倍強、男性では日曜日の約12.6%から月曜日の約17%に上昇したという。
 研究者たちは、仕事とストレスの関係があるんじゃなかろうかと考えてるみたい。


 毎日が日曜に毛が生えたような-といっても毛が生えた日曜に出会ったことはないけど-日々を送る院長としては、休みの次の日のストレスがいかほどのものかは想像できない。きっと職場に出向くことを想像すると、いやでいやでたまらず、血圧が高くなり脈も速くなるのだろう。
 ついでにいえば、そういう状態は、毎朝職場に出向くとき経験しているので、院長の毎日は日曜だという傍証にもなっているのかもしれない。
 ところで、あらゆる科学者には迷惑千万かもしれず、またクリニックの玄関の敷きタイルがはがれかかっているという事実ほどには知られてないけど、医業を営む院長も科学者の端くれに位置してるのね。
 その立場からぜひとも一言いわせてもらいたいことがある。月曜に脳卒中が多いのは、たしかに仕事のストレスの可能性は大いにあるんだろう。ただ月曜に目を向けすぎている嫌いはないだろうか。
 日曜日になにか要因が潜んでいる可能性はどうなんだろう。
 40から60才といえば、子も巣立ちし夫婦二人きりの生活が待っている、そういう家庭も多いはず。すると日曜にそれぞれ相手がいることでストレスが溜まる、すなわち相手の姿を見、あるいはオヤジまたはオバサンの臭いを嗅ぐことでストレスが溜まり、翌日にそれが原因で脳卒中になるという可能性はないのだろうか。
 もちろん、仮説である。それもかなり有望な仮説であると自負する。
 しかし、残念ながら公にはできない。もしこの仮説の出所が院長だと知れれば、微かに部屋の空気が動き始めることになるだろう。それはビールの本数の決定権を有する女性が立てる微風。やがてそれは大きく舞い始め、部屋のものを吹き飛ばす。
 恐怖におののく院長の血圧は上がり続け、つまりは院長の脳卒中は月曜から日曜に繰り上げられるかもしれない。
 だから、院長が科学者であることとともにこの仮説は、はがれ掛けたタイルの下に、そっと隠し続けるしかないのである。

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