老化の進化論

双子の息子らよ、今夜のおかずがステーキだからといって走り回るんじゃない。そんなのは来年でも再来年でも食べさせてあげよう。さぁ早くテーブルについて食べよう。そして今読んでいる本の話でもしてあげよう。
人にとって必ず来るものはなんなのか知っているかい?考えてみてごらん。夏休み、そうそうそんな感じだ。ほかには? 冬休み、昼休み、そうだ。大人になると税金もやってくるぞ。それらはほとんど必ずやって来る。でもこんなもの訪れるんだ。それは老いというものだ。
年長さんの君たちには想像も付かないだろうが老いは君たちにもおいおい、君たちは二人だからおいおいおいおいやってくるんだ。そして人はその命を終える。だから昔から人はなんとか老いを延ばせないものか考えていたんだ。


今読んでいる「老化の進化論」(マイケル・R・ローズ)という本はその老いを進化論的な視点から老いを取り上げたというものだ。え、分からないって?大丈夫、パパもほとんど理解できてないから安心してステーキを食べなさい。
本の背帯にはこう書いてある「老化は徐々にせり上がる死の壁ではなかった」
じゃあなんなのかというと老いと生殖はトレードオフの関係にあるというのだ。トレードオフというのは、こんな感じのことだ。つまりお肉を一度にたくさん食べればあっというまになくなる。でもすこしずつ食べると長く食べることが出来る。ここで生殖という言葉が登場するんだけど、うーんその説明は少し難しいかな。精子よく制止欲がなければできるのが生殖というぐらいの説明で勘弁してくれ。で、その生殖が早ければ老いが早く来るというのが、きっと、おそらくたぶん、ちょっと自信がないがこの人の説だと思う。
もちろん種としての話だよ。あ、これはサルカニ合戦で出てくる柿のタネじゃなくてこの場合はシュと読むんだ。よく分からないときは困っタネともいうが、それはこの種ではないことが分かれば十分だろう。
でもまぁパパのかなりの勘違いがあるかもしれない。君たちも小さなお椀に載って川を下ってきたのは桃太郎さんだって間違えたこともあるじゃないか、だからパパだってそれぐらいの勘違いがあってもいいだろう。でもせっかくだから書いた人の文章を長くなるけど紹介しよう。
「老化は果てしなく高い死の壁ではないのだ。年を取るにつれてますます加速してせり上がり、全員が死ぬまで高くなり続ける壁ではない。それは幼年時代の低い死亡率から、そのずっとあとにやって高いけれど比較的安定した死亡率まで我々を導く傾斜路なのだ。老化を先送りにしたり、妨げたり、さもなければ緩和したりするには、果てしなく高い死の壁を押し戻す必要はない。死亡率の傾斜路をならして、ことによれば傾斜の頂点の高さを低くすることが必要になる」
つまり傾斜の角度を小さくしてゆっくり進めば老化も先送りされるということになるというのだ。
うーん、難しすぎるか。だったら幼稚園で先生からいわれていることを思い出してごらん。そうそういつもいわれているだろう。老化は走るなって。

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