緑色血液


 カナダの病院で40代の患者に緊急手術をしたところ突然患者から暗緑色の血が流れだしてスタッフを驚かせたという記事があった。ランセットという権威ある医学雑誌に報告されたものでいくつかのネタ元があったが、BBCのものが興味ある視点から触れていたのでそれを元にメモしたい。


 なぜ緑色の血液が出たのか、まず簡単に説明しておこう。
 通常の血液は鉄が酸素と結びつくことで赤い色になっている。極端な言い方をすればサビの色なのだ。院長の場合さらにビールが結びつくことで顔が赤くなっていくのだが、それはさておき問題の患者の血液では硫黄と酸素が結びついていた。
 ”硫黄島からの手紙”と同様この事態はきわめて異常なのだ。調べた結果、患者は偏頭痛持ちで長年服用してきたイミグランという薬がそうした事態を作り出したということが判明したという。
 こうしたニュースなのだが、BBCはこれをスタートレックに出てくるスポック博士の血液と対比させて流している。博士はバルカン星人だ。
 そんな宇宙人がいるわけないとバカにする気持ちを抱いた人がいたなら、コリン星人でなくてよかったと思っていただけたらいいだろう。とにかくそのバルカン星人の血液は銅と酸素が結びついているのだ。いわばロクショウと一緒で、だから血液は緑色なのだ。
 このBBCの記事を読んでふと思ったことがある。
 かのランセットにこの報告を寄せた医者はスポック博士の血の色を知っていたのだろうか。もしそうだとすればこのまれにみる病名をスポック病とでも呼ぶことを提案してもよかったのではないだろうか。
院長 「どうですか?」
医者 「はい、知ってました」
院長 「スポック病というアイデアはありましたか?」
医者 「はい、そういいたかったのですが…」
院長 「でも権威ある雑誌ですからね」
医者 「イオウかドウか迷ってました」

ネタ元
Patient bleeds dark green blood

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